わたしたちは「24時間という投資資金」を毎日もらっている

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『神時間力』でした。

星渉『神時間力』(飛鳥新社)
星渉『神時間力』(飛鳥新社)

著者は、『神メンタル』『神トーーク』『神モチベーション』などの著書で知られる星渉さん。今回のテーマは「時間術」です。ストーリー形式で、「神時間力」の身につけ方を教えてくれます。

物語は、社会人8年目の青井春香が、学生時代の指導教員である黒野教授に「社会人って時間がなさすぎます!」と助けを求めるシーンから始まります。黒野が春香に時間の使い方をレクチャーするシーンを読み進めるうちに、読者にも「神時間力」が身につく――という仕立てです。

黒野が最初に教えたのは「時間を投資するという感覚を持つこと」。といっても、すぐに行動を変えられなくてもかまいません。「わたしたちは24時間という投資資金を毎日もらっていて、それを何かに投資して生きている」という感覚を持つことが何より重要なのです。

仕事が忙しすぎる、自分のやりたいことが見つからない、やるべきことに集中できない……春香の抱える悩みは、多くのビジネスパーソンが同じように悩んでいるものばかり。春香とともに時間術を学べば、あなたの悩みの多くは自然と解決していくことでしょう。

「ムカデ型ミーティング」で自発的に動ける組織をつくる

第5位の『チームを動かす すごい仕組み』にもご注目ください。リーダーが頑張らずとも自発的に動いて成果を出せるチームづくりに役立つ「仕組み」を教えてくれる一冊です。

山本真司著『チームを動かす すごい仕組み』(PHP研究所)
山本真司著『チームを動かす すごい仕組み』(PHP研究所)

「仕組み」の一つとして紹介されているのは「ムカデ型ミーティング」。高頻度のミーティングのことで、少なくとも毎週1回、多ければ毎日、30分程度のミーティングを行います。

高頻度にミーティングをすることの最大のメリットは、メンバーが、マネジャーに気軽に相談できる機会を得られること。さらには、最適なタイミングでアドバイスできるため、メンバーの仕事効率が上がったり、大きなミスが起こるリスクを減らせたりすることもメリットです。

その他、「わからないふりミーティング」も有効です。ある目標があったとき、マネジャーは自分の仮説をあえて隠し、メンバーの意見をフラットに聞きましょう。これにより、メンバーは受け身の姿勢を脱し、主体的に動くチームへと育っていきます。

全部で34の「仕組み」が紹介される本書。新人マネジャーはもちろん、ベテランにとっても発見があること間違いなしです。