事務方には耳を貸さない「裸の王様」状態
地震、豪雨の発生時に、深層崩壊が南アルプスで起こり、天然ダム(河道閉塞)等の崩壊する可能性をいくら議論しても、「水の供給や水質、生態系などに甚大な影響が出る」(川勝知事)ことによる責任と役割を担うのは、JR東海ではなく、河川管理者の静岡県である。
そんな簡単なことも静岡県行政の最高責任者である知事が承知していないのだ。
逆に言えば、NHK記者の質問した「リスク」について川勝知事は全く理解できず、共同記者の質問では、頓珍漢な回答に終始するしかなかった。
静岡県は県民の財産、人命等を守ることを最優先した河川管理に取り組んでいる。まさか、人家等のない南アルプス源流部の深層崩壊を想定して、河川管理を行うことなどない。また事業者のJR東海にそれを押し付けることなどあり得ない。
塩坂氏による問題提起は、想定できない天災が起きることによって、JR東海の残土置き場が管理不能となると大騒ぎして、人家等もない下流域に影響があるリスクを議論しただけである。川勝知事はすっかりと塩坂氏の見解を信じ込んでしまったようだ。一度県専門部会に出席して、JR東海の説明を聞いたほうがいい。
森副知事をはじめ事務方は当然、行政の責任と役割を承知している。
「裸の王様」川勝知事は、塩坂氏らの意見に従っても、事務方の説明に耳を傾けないのだろう。これでは、静岡県は「笑いもの」となるしかない。