仕事のスピードが速い人はどこが違うのか。元キーエンスの鈴木眞理さんは「結論を早く出すために重要なのは、ゴールから逆算して考えることだ。ゴールがわかっていれば、集める情報が最小限で済むとともに、情報を集めながらゴールが合っているかの検証もできるので、間違っていたときはすぐに方向性を修正することができる」という――。
※本稿は、鈴木眞理『仮説起点の営業論』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
いきなり情報を集めはじめてはいけない
みなさんは何かを判断したり、購入する時にどのような手順を踏みますか?
①関連する情報を集める
②集めた情報を元に何がいいかを考える
③考えた結果を元に決断する
②集めた情報を元に何がいいかを考える
③考えた結果を元に決断する
このような手順を踏む人が多いのではないでしょうか? これは、「レストランに行って、メニューを最初から最後まで全部見て、何を食べようか考え、結局迷って中々決まらない」というケースと同じです。
この手順はレストランのメニューぐらいであればいいですが、ビジネスにおいてスピードが重要となる状況ではオススメしません。
なぜなら、いきなり情報を集めはじめてしまうと、どこまで情報を集めていいのかがわからず関連する情報を広く集めることになるからです。しかも、後で集めた情報から有用なものを絞り込んでいくことを考えると、最初に集めるもののなかに、重要な情報が漏れているという状況は避けなければいけません。
そのためには、最初に「できるだけ広く情報を集めないといけない」ということになり、集める情報量が膨大になりキリがなくなってしまうのです。さらには集まった情報が多すぎると、何が重要なのか考えることにも多くの時間を要します。
ゴールがわかっていれば、集める情報は最小限で済む
結論を早く出すために重要なのは、ゴールから逆算して考えることです。
「ゴールがわからないから、情報を集めて考えるんじゃないの?」と思われる人もいると思いますが、まずは今知っていることだけでゴールを考えてみましょう。
①決断結果を考える
②その結果が正しいと判断するための要素を考える
③そのために必要な情報を集める
②その結果が正しいと判断するための要素を考える
③そのために必要な情報を集める
という順番です。
ゴールがわかっていることで、集める情報も最小限で済むと共に情報を集めながらゴールが合っているかの検証もできるので、間違っていたときはすぐに方向性を修正することができます。
そしてこの情報が少ない段階から、もっとも確からしい結論を考えるのが「仮説構築」です。