「ポジ」と「ネガ」は、混ぜるな、危険!
ネガティブな話をするときは「ポジ→ネガ→ポジ」というサンドイッチ話法にしなさい、という説があります。つまりほめてから批判し、ほめて終わるという手法ですが、これはもう時代遅れ! と言われています。
ネガな情報ばかりに気をとられるという「ネガティビティバイアス」が働いてしまい、ほめワードの無駄遣いになる一方で、本当に伝えたい内容が、ポジティブワードの陰に隠れてしまう。
結局、何が言いたいのかわからないということになりがちです。最新研究では、「このサンドイッチはおいしくない、つまり、まったく効果がない」とバッサリ。この話法で叱られた人の半数は「ネガティブな内容には気づかなかった」という実験もあります。
アメリカ有数の組織心理学の研究者であるペンシルベニア大学ウォートンスクールのアダム・グラント教授も、「伝える側として、安心感はあるかもしれないが、受け取る側にはまったく効果がない」と言い切っています。
「中身」はパンではさんで覆い隠してしまわずに、しっかり、はっきり伝えましょう。基本は「ネガティブよりポジティブで」、そして「ポジとネガは混ぜない」が正解です。
ほめられすぎは人をダメにする?
最近、聞こえてくるのが、
「いまどきの子は怒られたことがないから、叱るとすぐに折れてしまう」
「子どもがほめられることに過度に依存するのではないか」
といった声です。
結論から言うと、「ほめること」が人をダメにすることはありません。
一般的にほめることは子どもにいい影響を与え、効果的な育児法であることが研究で一貫して示されています。
ほめることは、成績の向上や、親切で役に立とうとする行動の増加、社会的能力の向上に結びつき、子どもにいい影響を与えるほか、共感性、良心に関わる脳内物質を増加させる、ということもわかっています。