好みの「ほめられ方」はさまざま

誰にでも効く「ほめ方」というのは、じつはありません。人によって、好みの「ほめられ方」は異なるからです。表立ってほめられ、みんなに認められたい人もいれば、自分だけにそっと伝えられたい人もいます。

初級者・若手が、ほめられるのを好む一方、上級者・エキスパートになると、より成長につながる、多少厳しめのフィードバックを好む、という研究結果もあります。

どのような形にせよ、ほめさえすればいいというのも間違いです。きちんとしたほめられる理由があるときだけに、与えられるべきものであり、「ほめ」の乱用はその価値を失わせてしまいます。

「ほめすぎ」はない

岡本純子『世界最高の伝え方』(東洋経済新報社)
岡本純子『世界最高の伝え方』(東洋経済新報社)

ただ、「ほめる頻度が高すぎると、ほめ言葉の価値が下がって、誠意が感じられないのではないか」、つまり、「ほめすぎると(相手が)慣れて、効果がなくなるのではないか」という心配には根拠がないことがわかっています。

シカゴ大学の教授らの研究では、「1週間にわたって1日1回ほめられた人は、日を追うにつれてその効果が下がるかと予想されたが、毎日同じように効果があった」と報告されています。

ほめ言葉は食事と同じ。何でもいいわけではありません。上質なほめ言葉を定期的に与えることで、グングンと人は成長をしていくということなのです。

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