手術件数が多い病院を調べ、選択する

では、手術を受けるような大病を患ったとき、「病院」はどうやって選べばいいのでしょうか? これは、まずはパソコンを立ち上げて、各病院のホームページ開き、「治療実績」(過去1年間の手術件数など)を調べることです。

そして、あなたの患っている病気の治療経験が豊富な病院を探しましょう。これは大事なことなので、パソコンが苦手な人は、家族らに手伝ってもらって調べるといいでしょう。

近ごろは、多くの病院がホームページで、実施した「手術件数」を公表しています。もちろん、手術件数が多い病院ほど、その手術に習熟していると判断できます。

医療業界では、数多くの手術を行っている病院を「ハイボリュームセンター」と呼び、「ハイボリュームであるほど、手術成績がいい」ことを示す論文もあります。

和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)
和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)

最近では、全国の病院の治療実績や手術件数を一覧できるサイトもあるので、それらを使うと、手早く探すことができます。そうして、目星をつけた病院の治療実績をチェックし、できれば医者ごとの手術件数も調べます。

たとえば、心臓外科では、「年間200例以上の施術」が名医と呼ばれる条件とされます。一方、治療実績が少なかったり、公表していない病院は、要注意です。手術を受けるのは、避けたほうがいいと思います。

そういった視点でみると、他病院からの紹介が多い病院は比較的信用できます。ただ高齢者の場合、手術が好きな医者はかえって害になることも多いので、そこは注意して、うまく見極めたいものです。医者の食べログのような口コミサイトができるといいのですが。

そうして、病院を選び、担当医が決まったら、外来を担当している医者が、執刀してくれるのかどうか確かめておくといいでしょう。実際に手術を行う医者が、外来も担当していれば、患者の質問に対して、より的確に答えられるからです。

【関連記事】
70代以降に「イライラした高齢者」と「ニコニコした幸齢者」がはっきり分かれていく"ささいな理由"
バカほど「タバコは絶対ダメ」と言いたがる…和田秀樹「本質を見抜ける人、そうでない人の決定的な差」
今や死ぬ確率は「インフルエンザ」のほうが高い…医師・和田秀樹「コロナは"死を招く病"は刷り込みである」
ご飯、納豆、味噌汁だけでは早死にする…医師・和田秀樹「やせた人より小太りの人が6年も長く生きる理由」
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"