失敗から立て直す経験を積む
ただ、現状すぐにあきらめてしまう子でも、心配はいりません。
このようなお子さんには、「失敗は悪いことではない」と辛抱強く教えましょう。親である自分自身にもそう言い聞かせましょう。「もうやりたくない」という発言は、翻訳すれば「不安で、自信がない」ということです。「やめてもいいけど、嫌な気持ちで終わったらもったいないから、ちょっと一緒にやってみようよ」などと、気持ちに寄りそってあげましょう。
失敗してもそこから立て直す経験を積むことによって、「困難を乗り越えるメンタルを持つ人」へと育つことができます。
困難を乗り越えられるようになるかどうかは、結局、「転んだら立ち上がればいい」ということを知っているか知らないかの違いなのです。だからこそ、小さいうちから「転ぶ経験」を上手に積ませることが必要になります。失敗するのは悪いことではないのです。
失敗からしか学べないこともある
失敗したときに一番やってはいけないことは、「○○ちゃんには難しかったね」と子どもが取り組んでいた物事を取り上げてしまうことです。
子どもの「できない状態」を直視できない親は、子どもが傷つくに違いないと考えて「取り上げる」という行動に出てしまうのです。
しかし、できないことは決して悪いことではありません。人間はみんな、できないことから学びを得るからです。
「失敗は成功のもと」と言うように、うまくいかなかった経験は、次のやり方を考えるチャンスです。うまくいかなかったことを子どもから取り上げて失敗をさせないようにすると、次にどうすればいいのか考える力が養われませんし、失敗して落ち込んだ気持ちをどう整えていくか、訓練する機会も失われてしまいます。