「チャレンジする機会」を奪っている

このように、結果しか見えなくなっている親御さんは、あせるあまりに「理想の塾」という幻影を求めてさまよい続けることになってしまいます。

塾に限った話ではありません。今は雑誌や書籍、インターネットに「子育てにいいもの」の情報があふれています。そうした環境の中で「子育てには『正解』があるはずだ」と思い込まされ、自分だけその正解を知らないことで子どもに損をさせるのは嫌だという思考になってしまうのでしょう。それが親御さんたちのあせりを生んでいるのではないでしょうか。

親が持つ「あせり」の根っこにあるもののひとつは、「子どもには失敗をさせたくない」という考えです。

これらの発想は、「子どもからチャレンジの機会を奪う」という行動となって表れます。

子どものすることに対して、「それは危ないから、もっと安全なこっちにしなさい」「そんなことは得にならないからやめなさい」と、親の判断で「ゴー」や「ストップ」のサインを出す。すると、子どもが「失敗から学ぶ」機会が失われてしまいます。

小さな失敗を重大なものとして受け止めてしまう

小さいころから親の先回りによって失敗を回避してきた子は、ちょっとした挫折ですぐにあきらめてしまう傾向があります。

ささいなミスひとつで「もうやりたくない」と言い出して、今まで好きだったこともやめてしまったりします。もう少し深刻な例になると、間違いが多く点数が悪かったテストを親に隠すようになります。

失敗を必要以上に重大なものとして受け止め、大きな痛みを感じてしまうのです。

一方、親が先回りすることなく、小さいころから「できたり、できなかったり」という経験をしてきた子は、点数の悪かったテストを隠したりはしません。結果をそのまま受け止め、乗り越えようとします。

この経験が積もり積もって、「困難を乗り越えるメンタルを持つ人」と「そうでない人」の違いとなって表れます。