なぜ神社では「お賽銭」を払うのか。『成功している人は、どこの神社に行くのか?』(サンマーク出版)の著者である八木龍平さんは「そもそもの始まりは、その年の最初に収穫した稲穂『初穂』を、神さまへの捧げものとして毎年奉納したこと。この『初穂』が、のちに金銭に変わった。願いがかなった『結果』に対するお礼ではなく、先に感謝して、望ましい結果の『原因』をつくるおまじないだといえる」という――。
※本稿は、八木龍平『成功している人は、どこの神社に行くのか?』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
なぜ神社でおさいせんを払うのか
神社で定番のお金の話しもしましょう。「おさいせん」についてです。
なぜ神社でおさいせんを払うのでしょうか?
じつは、お金を払うことも「お祓い」です。日本神道の中で、いわれていることではありません。ただ、そう考える根拠は示しましょう。祓いとは、罪ケガレを取り除くことで、神社の中心的な機能です。
『神道事典』391ページを開くと、「神道の場合、基本的に罪は祓いによってすべて解消・除去される」と書かれています。
「罪がすべて解消・除去されるってどういうこと? 犯罪の事実が消えたり、おとがめなしになったりするわけないよね?」
こう疑問に思っていたところ、前作でも紹介した、リチャード・ワイズマン著『その科学があなたを変える』にある「手を洗うと罪悪感が減る」という実験結果を知って、すっきりしたのです。科学的な視点でみると、「祓いで罪悪感が減る」のだなと。
神社では参拝前に手を洗い、口をすすぎます。これは、「みそぎ」とよばれる「祓い」の行為です。神社には「罪悪感を減らす仕組み」があるのですね。そして、お金を払うことも罪悪感を減らします。だからお金を払うことも「祓い」なのです。