感謝は、上手に生きるための“スキル”
逆に、感謝の心を持ち、そしてそれをきちんと周囲の人に伝えられる人は、どうでしょうか。
誰かに、何かお世話になったとき、相手の人に「ありがとう」という言葉を伝えれば、清々しい気持ちになります。
いわれた相手だって、感謝の言葉をいわれたらうれしく思います。そして、感謝してくれた人のために、もっと何かしてあげたいと思います。
こうして、感謝し、感謝されることで、両者の関係がより近づき、より安定したものとなり、いい人間関係が結ばれ、幸せのサイクルを生み出すことにつながります。
そういう意味では、「感謝は、上手に生きるためのスキルだ」と私は思っています。
何か素敵なプレゼントをもらったり、美味しい食事をごちそうになったりしたときは、誰でも「ありがとうございます」と感謝するでしょう。
でも、ちょっとしたこと、小さなことへの感謝は忘れがち。
あなたは、どうでしょうか。
つい「小さな感謝」を忘れていませんか?
アイルランド生まれの教育学者、マーガレット・カズンズは、こんな言葉を残しています。
「感謝は一日を豊かにし、人生を変えることさえあります。必要なのは、それを言葉にしようとするあなたの意欲だけです」と。
心も体も人間関係も変わる…感謝の驚くべき効果
カリフォルニア大学のロバート・エモンズ教授は、長年にわたって、「感謝の気持ち」が心理的幸福、身体的健康、そして他者との関係に与える影響を研究してきた人物です。
教授は、その結果として、次のような効果があったとしています。
【心理的効果】
・ポジティブな感情が高まり、肯定力が増す
・より注意深くなり、いきいきとしてくる
・より楽しさやうれしさを感じるようになる
・楽天的になり、幸福感が高まる
【身体的効果】
・免疫力のアップ
・痛みの軽減
・血圧の低下
・より運動し、健康管理に努めるようになる
・よく眠り、目覚めがよくなる
【社会的効果】
・より親切になり、他者を助け、慈悲深くなる
・より他者の過ちに寛大になる
・より外交的になる
・孤立感や孤独感が軽減される