サブリース業者が解約に応じない3つの理由
サブリース契約を解約してくれないのはなぜでしょうか。
1つ目の理由は、サブリースを解除し、売却されると、まずいことになるからです。
たとえば2500万円で販売した物件が、築2年で2000万円以下に値下がりしていたら、自分たちが販売した価格がとても高いということが世間に分かってしまいます。市場にデジタルタトゥーも残ります。
2つ目は、売上を維持したいためです。
管理委託契約の場合は、集金代行など委託する業務の内容により、料金は家賃の3~5%程度が普通です。家賃10万円の部屋なら3000~5000円です。これが不動産会社(管理会社)の売上であり、利益です。対してサブリース契約では、家賃10万円がそのまま業者の売上になります。そのうち9万円は保証賃料として大家さんに渡すため、売上10万円、仕入れ9万円、利益は1万円ですが、帳簿上の売上は10万円と、管理委託の20倍になります。
売上の多寡は資金調達などにも影響するため、不動産会社にとってメリットが大きいのです。また、業者によっては、「サブリース契約は解除できないので、どうしてもという場合は当社で物件を買い取ります」と言ってくることがあります。
特別に買い取ってあげるということで安く買い叩く。そして安く仕入れたものをまた別の人に高く販売する。二重においしいわけです。これが3つ目の理由です。
サブリースを組んだお客さんは、業者にとって、生簀に入った魚のような存在であり、簡単には出したくない、というわけです。
サブリースが必要な物件は買ってはいけない
卵が先か、鶏が先か、という話になってしまいますが、サブリースしなくても家賃が入る物件なら、わざわざサブリース契約を結んで手数料を払う必要はありません。
人気がない物件ではサブリース契約があると安心と考えがちですが、人気が出ない物件は、そもそも買ってはいけません。
そして、空室リスクがあるような物件にはサブリース契約をしてくれません。いらない場面では付いてきて、必要な場面では付かない、ということです。
サブリース契約付きのワンルーム投資に誘い込まれてしまう理由は、サブリースの問題点を知らないのと、ローンが借りられるからです。
ちなみに、銀行もコンプライアンス的に問題があるということに気付き、多くの銀行はワンルーム投資への融資を手控えています。ワンルーム投資への融資をしているのは、ごく一部の銀行に限られます。
サブリースはよほどのことがない限り組んではいけない。サブリースを組まないと不安な物件は、買ってはいけません。