皇室典範では、皇位の継承資格を男系の男子に限定している。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは「皇室典範は構造的な欠陥を抱えている。ここで定められている皇位継承のルールは、正妻以外の女性が生んだお子様などにも皇位継承を認める選択肢があった、古い時代の前提で成り立っている。本来は、そうした選択肢が消えた時点で、直ちに見直すべきだった」という――。
英国へ出発する秋篠宮ご夫妻を見送られる次女佳子さまと長男悠仁さま=2023年5月4日、東京都港区[代表撮影]
写真=時事通信フォト
英国へ出発する秋篠宮ご夫妻を見送られる次女佳子さまと長男悠仁さま=2023年5月4日、東京都港区[代表撮影]

皇室典範が抱える欠陥

はたしてどれだけの人が気づいているだろうか。現在の皇室典範が構造的な欠陥を抱えているということを。

皇室はとっくに側室制度を廃止して、「一夫一婦制」に移っている。にもかかわらず、皇位の継承資格を「男系男子」だけに限定するという、明治の皇室典範が初めて採用した、歴史上かつてない窮屈なルールをそのまま維持している。