使わないと性器は劣化する

常日頃、私が主宰するオンラインコミュニティ「秘密の部屋」で口にする言葉に、「使わないと性器は劣化する」というものがあります。定期的なセックスやマスターベーション、適切なケアをしないと、男性ならペニスが小さく縮み、女性なら腟が萎縮して挿入を伴うセックスが難しくなってしまいます。

そもそも性器に限らず、耳たぶに開いたピアスの穴でも、長年放置していれば閉じてしまいます。寝たきりの状態が長く続くと、足の筋肉が衰えて歩けなくなります。つまり、使わない機能は、体が「もうこの臓器は必要ないのだな」と判断して、使えなくなってしまうのです。

ご存じのように血液は、酸素やタンパク質、ミネラルなど人体を構成する細胞に必要な栄養素を運んでいます。しかし、セックスやマスターベーションをせず、男性なら陰茎海綿体に血液が流れ込まない状態が長く続くと、陰茎海綿体は栄養不足に陥ってどんどん縮こまっていきます。これを線維化せんいかといいます。

いくら刺激を受けても反応しなくなってしまう…

長い間、放置されて硬くなってしまった台所スポンジをイメージするとわかりやすいかもしれません。ひとたび線維化が起こってしまうと、再び柔軟性を取り戻すのは至難の業です。萎縮し、線維化したペニスには、血液が送られにくくなり、ますます機能の低下が進んでしまいます。

最終的には、ペニスをヒヤッと冷たく感じる「コールドペニス」と呼ばれる状態になり、こうなるといくら刺激を受けてもピクリとも反応しなくなってしまいます。

ですから、セックスおよびマスターベーション、またはビガーなどを使って定期的に勃起する“クセ”をつけておくことは、ペニスの血管や海綿体組織を若々しく保つために重要です。いわば、ペニスのアンチエイジングトレーニングです。

ビガーを試した70代の患者さんは、「ビガーで勃起をした自分のペニスを目にすると『まだまだ自分はいける』と思えるようになった」と語っていました。勃起には、機能面の効果だけでなく、勃起した自分のペニスを目にすることで失われていた自信を取り戻す心理的な効果もあります。「性」は、生きる自信を取り戻す、まさに「生」なのです。