※本稿は、徳谷智史『キャリアづくりの教科書』(NewsPicksパブリッシング)の一部を再編集したものです。
面接は「お互いが必要とし合う相手か」を見極める場
あまりテクニカルな対策論をする気はないのだが、とはいえ、自分の描いたキャリアジャーニーを実現するために、選考が人生の重要な局面となることもある。自分自身のことがきちんと相手にも伝わるよう、選考プロセスと注意点も伝えておきたい。
最近では、リファラルだと書類選考がなかったり、1次面接から役員層や社長が出てきたりするケースもあり、必ずしも昔ながらの下から上がっていくタイプの選考だけではなくなってきているが、大枠では次のような流れになる場合が多い。
初期選考:担当者や人事による面接
中間選考:配属部署の上長や責任者による面接
最終選考:役員や代表などによる面接
具体の対策に入る前に、最初に全プロセスに共通して重要なポイントを押さえておこう。
まず、大前提として、面接は求職者・企業ともに「お互いが必要とし合う相手かを見極める場」だということだ。どちらも、「採用」をゴールにすべきではない。ともに働くために、相手を理解し合うためのプロセスだ。そう考えたとき、何が大事になるのだろうか。
面接はこちらが企業を見極める場でもある
自分を知ってもらうには、まず、表面的な経歴のみではなく自身のバックグラウンドを伝えること。自身の「ありたい姿」はどんなものか、その背景にはどんな経験があるのか。今の自分にどんな課題を感じているのか。これから何をなしたいのか、どんな力をつけたいのか。そのあたりをしっかり聴いてくれるかも、こちらが企業を見極めるポイントになる。
特に「これまでの人生の中でのターニングポイント」や、「具体的な意思決定の背景やエピソード」を、自分の言葉でしっかりと伝えられるようにしておくことが大切だ。
そして、市場価値の観点から、自身が今後深めていきたい強みや能力が身につく環境かを探ること。どのくらいの機会や裁量があるのか、どんな方が働いていて、実際にどんな力をつけているのか。どんなキャリアパスがあるのか。