職務経歴書は「相手目線に立って」書く

大前提をふまえたうえで、プロセスの細部に入ろう。

書類選考

選考に進むにあたり、最初にあるのが書類選考だ。基本的に職務経歴書で選考されるのだが、ポイントは

「相手目線で伝わる文章になっているか」
「結果だけでなくプロセスや具体性が描かれているか」
「(可能であれば)企業ごとにカスタマイズできているか」

だ。

まず、「相手目線で伝わること」。「自身の当たり前は、選考企業の当たり前ではない」という前提で書く。社内でしか伝わらない社内用語・専門用語を無意識に使ってしまっている方も意外と多い。かつ、何をやったかだけでなく「プロセスや具体性が描かれている」こと。

たとえば、「部門表彰」や「目標達成上位」と書かれても外部の人にその価値はわからない。

「300人の部署で、年間1人に与えられるMVPを3年で2回受賞」と書いたほうがわかりやすいし、「目標達成率が1年目105%、2年目は143%、チームでも前年は、88%に対して、108%」と書いたほうがより伝わる。

履歴書と職務経歴書
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他の企業にも使いまわせる濃淡のない履歴書はNG

加えて、課題設定から具体的な成果を出すまでのストーリーも、相手がそのプロセスをイメージできるように書くこと。「Aプロジェクトで、Xの成果を出した」だけではなく、「当時、営業の業務プロセスに課題があった。従来は社員の稼働ありきの規模や体制だったが、目的に沿った設計にすべく、経営と相談。プロセスを可視化し、顧客に価値のあるところは社員、そうでないところは自動化に切り替える業務改革を行った」など、一連の流れを書くことではじめて再現性が評価される。具体的な人数や成果は可能なかぎり定量で入れ込むことだ。

また、もし志望度が高ければ、「企業ごとにカスタマイズして書くこと」。他の志望者がありきたりの履歴書を使いまわしていくなかで、○○社に関心のある背景や、「入社後、△△の業務で自身の□□の強みを活かしたい」など、選考企業の環境や募集ポジションに沿って、数ある自身の特徴から濃淡をつけて書けるとなおよい。

ウェブテスト

一部の企業や、新卒採用では、ウェブテストが課される場合がある。

単純に論理や数値の点数で足切りをしているケースもあれば、いわゆる「性格テスト」のような、自身の特性を測るテストもある。ここも嘘をつかないこと。というのも、この結果が、より活躍しやすいポジションや、上長配属などにつながるケースもあるからだ。いずれにせよ、嘘をついてもよいことはなにもない。