文章だけでなく画像や音声でも返してくれる
オープンAIのチャットGPTは、GPT3ファミリーという言語モデルをもとに構築されたものです。GPTというのは、膨大な量のテキストデータを学習させ、人間のような文章を作り出すよう訓練されたもので、チャットGPTにはGPT3.5というバージョンが使われています。
なお、有料版のチャットGPTでは、GPT4というバージョンが使われており、テキスト予測により3.5よりさらに進化しています。マイクロソフトの「新しいビング」で利用されているのも、このGPT4を検索用にカスタマイズしたものです。
チャットGPTはチャットボット、あるいはテキスト生成AIなどとも呼ばれており、文章で質問すると文章で答えてくれる人工知能です。生成AIの中には、文章で指定すると命令に沿って画像を作成してくれる画像生成AIや、やはり文章で指定すると音楽を作成してくれる音声生成AIなどもあります。「新しいビング」の例を見てもわかるように、テキスト生成AIは検索に利用できます。
わからない言葉や名前、事象などを質問すれば、適する答えを文章で返してくれるのです。
AIによる失業者も出てくる
でも、それだけではありません。たとえば、新製品のプレゼンの構成を考えさせたり、取引先に送る発表会のメールの内容を書かせたり、新製品の広告のアイデアを出させたりと、これまでの事務仕事を効率化できる方法がたくさんあります。
あるいは、最近ではオンラインでサービスや製品のサポートをチャット形式で行うケースが増えていますが、チャットGPTを組み込めばサポート要員は不要になります。調べ物から顧客へのサポートまで、さまざまな場面でテキスト生成AIを活用できるのです。
このチャットGPT、あるいはテキスト生成AIによって、企業では効率的な働き方を進められるようになり、さらにこれらの業務に携わっていた社員を整理することも可能でしょう。つまり、テキスト生成AIによって大幅な経費削減さえ可能になってくるのです。
AIによって失業する人さえ出てくるでしょう。
そんな可能性を秘めたAIだけに、テック企業はどのようなサービスを提供できるか、虎視眈々と狙っているのです。画期的なサービスを提供した企業が、次のビッグ・テックの座に躍り出て、これまでのビッグ・テックが凋落するという可能性も、十分に考えられるのです。