2世と違い、世襲3世は東大に行けなかった

岸田文雄は父が出た東大を目指したが、三度受験に失敗している。さすがに3浪はできなかったのか、1978年に早稲田大学法学部に入学した。

安倍晋三は、父も祖父も、そして母方の祖父(岸信介)も東大を卒業していたが、小学校から成蹊に入り、大学も成蹊だった。東大を目指した形跡はない。

東京大学安田講堂
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世襲3世は東大に行けなかった(※写真はイメージです)

岸田文雄が早稲田大学2年だった79年に、父・文武が衆院選に初めて立候補、その選挙を手伝っている。これが政治と触れ合うきっかけとなったと思われる。

「宏池会と関係の深い銀行」に入った岸田首相

岸田文雄の父・文武は衆議院議員に当選すると宏池会に入った。岸田文雄は1982年に早大を卒業すると、日本長期信用銀行に入ったが、この銀行は、宏池会創立者の池田勇人が大蔵大臣時代に主導してできた。これを偶然と思う人はいないだろう。岸田文雄は1987年に銀行を辞めて父・文武の秘書になった。

90年の総選挙で文武は5期目の当選を果たし、91年には親戚である宮澤喜一が総理大臣となった。しかし、文武は92年に在職のまま亡くなった。

父・安倍晋太郎ゆかりの企業に就職した安倍晋三

安倍晋三は1977年に成蹊大学を卒業すると渡米し、南カリフォルニア大学へ留学したが何の資格も得ずに帰国し、79年に神戸製鋼所へ入社した。

神戸製鋼所は山口県下関に長府製造所を持っているが、下関は父・安倍晋太郎の選挙区である。これを偶然と思う人はいないだろう。