プーマのエリートチームに立教大の選手が参加
各社の活発な動きの中でもっと大胆に日本市場に切り込もうとしているのがプーマだ。サッカーのイメージが強い同社だが、2021年にランニング部門を本格強化。同時に世界トップレベルの選手が集う「PUMA ELITE RUNNING TEAM」を立ち上げた。
国内のランニング市場でプーマの認知度はさほど高くないが、今年の箱根駅伝は55年ぶりに出場した立教大が同社のユニフォームを着用。さらに箱根駅伝のシューズ着用者はプーマが前年の1人から7人に増えた。ナイキなどには遠く及ばないが、取材をしていると今後さらに着用者が多くなる可能性があると感じる。
立教大をサポートしているプーマは国内のランニング市場を見据えて、今年3月に立教大の選手をアメリカのノースカロライナで開かれた「PUMA ELITE RUNNING TEAM」に招待した。
「2024年の箱根駅伝出場を目指す立教大のサポートの一環として実施しました。同大学の監督、エース級の選手たちに海外でのトレーニング、レースを経験してもらうことで、競技に対する新たな気づきやモチベーションの向上、帰国後に他選手たちへプラスの波及効果などを生むとの考えです」(プーマジャパン広報)
プーマは単に商品を提供するだけではなく、トップ選手との経験や、メンタル面での影響を考えて、トータル的にサポートしているというわけだ。
「担当者は合宿に同行するなど選手と共にする時間を極力多くし、信頼関係を結びながら、双方がひとつのチームとなり、記録や結果に結びつくようにサポートしています。立教大とプーマ担当者は、単なるメーカーとチームという関係を超えた存在となっていると確信しています」(同上)
プーマのユニフォームを着用する立教大や、同社のシューズを履くランナーたちが活躍することで、同ブランドの価値が高まっていく。スポーツメーカーは高品質のシューズを作るだけでなく、魅力的な選手を育成する時代に突入している。
日本ではこれまで、大学で活躍した選手は実業団チームに入ってさらに高みを目指して練習するというパターンが多かったが、今後はそれとは別のルートができるかもしれない。