Super 30の運営経費は講演料で捻出
――ところで、Super 30を運営するのに必要な経費はどのように捻出しているのですか。
私がSuper 30とは別に設立したラマヌジャン数学塾(Ramanujan School of Mathmatics)という、こちらも貧しい子供たち向けの学習塾がありました。そこで多くの塾生から少額の授業料をもらい、その収入をSuper 30の運営に充てていました。しかし、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の蔓延でラマヌジャン数学塾は閉鎖を余儀なくされ、収入の道は閉ざされました。
そこで、それ以降はさまざまな企業や銀行、団体などから依頼される従業員向けの講演やスピーチの依頼を受けて、その講演料でSuper 30の運営資金や、家族の生活費を賄っているのです。
実は私は現在、Super 30の拡大を計画しています。これまでは選ばれた30人だけにSuper 30の高度な授業を提供してきましたが、近いうちにSuper 30は閉鎖し、新たに学校を設立する計画を練っています。より多くの貧しい若者にSuper 30の優れた授業を提供したいと考えているのです。
新しい学校は、7年生から12年生までの6年間(日本の中学と高校の一貫校に相当)の全寮制学校で、毎年1学年で100人の受け入れを想定しています。つまり、全体では6学年で600人規模の学校を作ろうとしているのです。
2025年に600人の無料学校を設立予定
――600人の若者を教育、指導するとなると、運営はますます大変そうです。
この新しい学校は、2年後の2025年の開校を目指していますが、ここでも授業料は無料にするつもりです。無料で600人もの生徒を受け入れるのは、とんでもなく大きく困難なチャレンジですが、私は、貧しくとも有能な多くの子供たちのために、なんとしてもそれを実現したいのです。これまでも私は難しいチャレンジを受け入れ克服してきました。今回もこの大きなチャレンジに正面から立ち向かうつもりです。
学校設立に必要な費用は、できる限り自分たちで用意したいと思っていますが、もし、それで十分でない場合は、今回は外部からの支援を受けることも検討しています。
うれしいことに、ある州政府が無料で用地提供を申し出てくれています。また、ある企業が校舎建設の支援を申し出てくれています。この計画は6カ月以内に正式に発表し、支援者についても公表する予定です。もし、日本の企業や団体が、この学校建設のための支援、協力などを提供していただけるのであれば、本当にありがたいことです。日本の優秀な学校や大学などとの交流や連携には関心がありますし、彼らからの教育面での支援などさまざまなことが必要となるかもしれません。