世界的に評価の高い半導体メーカーが少なくない

2022年現在、従来のような垂直統合型のビジネスモデルで日本に残っている半導体メーカーはソニーのみです。

キオクシア、ルネサスエレクトロニクスの2社は、半導体の設計、製造、後工程を1社で行うIDM方式の企業です。

これらの半導体生産量は少なくはなく、ソニー、キオクシア、ルネサスエレクトロニクスの3社だけで、日本の半導体生産額の半分前後を占め、3兆円から4兆円程度の売上があります。

日本には旭化成エレクトロニクスやセイコーエプソン、ローム、日清紡マイクロデバイス、シャープなどといった、世界的に評価の高い、優れた製品を生み出してきた半導体メーカーが少なくありません。

日本のメーカーが決して無力ではないのは確かです。

日本の半導体のイメージ
写真=iStock.com/Thicha studio
世界的に評価の高い半導体メーカーが少なくない(※写真はイメージです)

有力なファウンドリ企業が出てくる可能性は低い

ほかにも、自動車最大手トヨタグループの中核会社であるデンソーは、1960年代後半から自動車向けを中心に半導体の開発に取り組んでいます。

そして2020年にその売上が3200億円規模となり、2025年までには5000億円規模の売上を達成することを目標に掲げています。

デンソーは外部企業に半導体を販売しておらず、自動車向け機器の一部として使っているので外部から注目されにくい側面がありますが、研究開発と技術力に優れた企業であることが分かります。

しかし今後日本から有力なファウンドリ企業が出てくるのは一部の特殊な用途を除けば難しいと考えたほうがよいでしょう。