半導体材料・製造装置では高いシェア

続いて日本が今も半導体材料や半導体製造装置において高いシェアを誇っているという部分です。

例えば半導体材料のシリコンウェハーであれば、信越化学工業やSUMCOを含めた日本のメーカーが世界シェアの62%近くを占めています。

またフォトマスクは凸版印刷と大日本印刷で20%程度のシェア、フォトレジストに至っては、東京応化工業やJSRなど複数の日本企業で91%ものシェアを占めているのです。

半導体製造装置においても日本の企業のシェアは決して少なくありません。

例えばウェハー洗浄装置において、前洗浄ではSCREENホールディングスをはじめとする日本企業が約90%のシェアを、後洗浄でも日本企業が70%近いシェアを占めています。

さらにコータ・デベロッパでは東京エレクトロンをはじめとする日本企業が92%のシェアを占めています。

後工程装置では90%近いシェアがある

また、日本企業は半導体基板や、後工程装置のシェアでも世界のトップを走っています。

半導体基板メーカーにおいてはイビデンと新光電気工業の2社が特にCPU向けのパッケージ基板に強く、この2社がなければサーバー用プロセッサを製造できないとまでいわれています。

後工程装置ではテスタにおいて日本企業がシェアの過半数を占め、ダイサ(シリコンウェハーを切り分ける際に使われる装置)ではなんと90%近いシェアを独占しています。

もちろん貴ガスや酸化用皮膜のほか、露光装置や一部の検査装置など他国が圧倒的なシェアを占める材料や装置もあります。

けれども少なくとも材料分野や製造装置分野においては「日本企業はもうダメ」ということはまったくなく、半導体業界に対し強い影響力をもっているといえるでしょう。