要らない書類の代表「アンケート」

まず、要らない書類は何か。

何よりも筆頭に挙げたいのは、「アンケート」だ。

例えば、いじめ自殺問題がマスコミで大きく報道されると、国会議員が国会で文科省に「どうなってるんだ!」と質問する。文科省はデータを持っていないから、アンケートを作って都道府県の教育委員会に降ろす。「学校では、日常的にいじめに目を光らせていますか?」「いじめの発見のためのアンケートを毎学期とっていますか?」「発見した場合、どのように対処していますか?」と多数の項目が並ぶ。

チェックリスト, 赤ペン, チェック マーク
写真=iStock.com/Roman Valiev
※写真はイメージです

都道府県でも都道府県議会議員が同じような質問をするから、都道府県教委も独自にアンケートを作って降ろしてくる。さらに、小中学校の場合は市区町村が設置者だから、市区町村議会議員が議会で質問すると、ここでも、もっと詳細なアンケートが作られる。

つまり、一つ課題が生じると、国と都道府県と市区町村が三重にアンケートを作って学校に降ろしてくるというわけだ。

児童生徒を守り育てるのが教員の仕事

もちろん、いじめや自殺は大事件だから大騒ぎも当然だし、対処しないのは言語道断だ。

しかし、食育についてとか、尖閣諸島や北方領土の地理での扱いについてとか、「こころの教育」についてとか、リモート教育についてとか、マスクについてとか……アンケートが多岐にわたって際限がない場合は何とかするべきだろう。

究極的な結論から言えば、データがあれば、アンケートは要らない。

であれば、データを“持てばいい”。

学校現場のDX化を進めて日々のデータが常にアップデイトされるようにしておけば、究極は、学校現場のすべてが上位者である教育委員会や文科省にも共有され、いちいちアンケートなどをその都度とる必要はなくなるはずだ。

個人情報保護条例から懸念があるかもしれないが、そもそもこれは児童生徒の利益に関わることなのだ。本来ならば、児童生徒を守り育てるのが教員の仕事である。その教員の時間がデータ収集作業に邪魔されているのだから、アンケート業務は当然見直されるべきだと思う。

どうしても必要な「学校基本調査」を含めて、アンケートは1学期に1本くらいに絞ればいい。