プレイヤーたちの常識を打ち砕くから支持される
『ティアーズ オブ ザ キングダム』の好調な滑り出しは、2017年発売の前作『ブレス オブ ザ ワイルド』の人気を彷彿とする。同作も非常に自由度の高いオープンワールド・ゲームとして、ユーザーの常識を打ち砕いたことで広い支持を集めた。
前作の発売時はゼルダ人気とSwitch本体の供給不足が相まって、本体購入者のうち何割がブレス オブ ザ ワイルドを買ったかを示す「装着率」が、100%を超える異例の事態となっていた。フォーブス誌によると、ハード・ソフト共に発売初月を迎えた同年3月、本体約90万台に対し、同タイトルは約92万本が売れている。
このような人気を誇った前作だが、本作の壮大なスケールとプレイの自由度は、それを超越したとの呼び声も高い。大手ゲームサイトの米IGNは、新たなシステムとマップが「前作の魅力でもあった夢中にさせるような探索をさらに豊かなものにしている」と述べ、「未完成とはほど遠かったブレス オブ ザ ワイルドだが、ティアーズ オブ ザ キングダムはどういうわけか同作をまるで草案のように感じさせる」と例えている。
前作でハイラル王国に平和を取り戻したリンクだが、今回は再び王国に厄災の息吹が訪れると同時に、ゼルダ姫が失踪。不気味な噂も方々から聞こえるなか、王国の4つの地方で起きた異変の調査に乗り出し、漆黒に呑まれたハイラル城の奪還を試みる。
「ゼルダのアタリマエを見直す」をコンセプトに開発された前作に続き、今作もプレイヤーの発想力の限界に挑む濃厚な内容となっている。文字通り天井知らずのマップを舞台に、「ゲームだからこうすべき」「まさかこれはできないだろう」と無意識に信じている世界のプレイヤーのアタリマエを、心地よいほど鮮やかに塗り替えている。