メディアも事務所と“昵懇”だったではないか
「神妙な表情で口にした言葉は、ジュリー社長の声明の流れをくんだような内容に終始。キャスターとしての見解を示すこともなかった。性加害問題を知っていたのか、長年見過ごされてきたことをどう思うのか。40年以上所属している東山だからこそ言えることもあるはずだが、そこへの言及はなし」
スポニチを含めて、ほとんどのスポーツ紙はこの問題に口を閉ざし、触れてこなかったのに、「長男だから言えることがあるはず」とは、どの口でいえるのか。
「あんたたちもジャニーズ事務所と“昵懇”だったのだから、いえることがあるはず」といいたくなる。
朝日新聞も、カウアン・オカモト氏が外国特派員協会で会見してからというもの、洪水のようにこの問題を報じ始めた。
ジュリー社長が動画を公開した次の日には2回目の社説で、この対応を激しく糾弾した。
「多くの未成年が長期にわたって重大な人権侵害にさらされていた可能性のある深刻な事態である。広く大衆を相手に影響力の大きい事業を手がけてきたジャニーズ事務所には、ひときわ重い社会的責任が課せられていることを改めて自覚すべきだ」
黙っていたメディアが真相を明らかにすべきだ
「藤島社長は公開した文章で、エンタメ業界は特殊であるという甘えを捨て、コンプライアンス強化を進めていると述べた。だが、今回の事務所の対応は、まさに『甘え』そのものだ。内向きな体質は変わっていないと言わざるをえない。そのような体質こそが、長年にわたって疑惑が見過ごされる土壌となっていたのではないのか。
記者会見を開き、調査は独立した第三者委に委ねる。経営刷新を強調するなら、具体的な行動で示す必要がある。これで幕引きを図ることは許されない」(朝日新聞5月16日付)
長年にわたって疑惑を見過ごしてきたのは朝日新聞も同罪だと思うが、スポニチ同様、自らの責任については触れない。
芸能・音楽業界に対する圧倒的なパワーを背景に、テレビ業界をジャニーズ事務所のパシリのようにアゴでこき使い、芸能マスコミ、出版社を操り、大新聞を黙らせてきた。
その力の源泉だったジャニー喜多川氏の「少年愛」の実態が、被害を受けた当人たちから次々に語られ始めた。改めて、喜多川の異常ともいえる少年への“性的虐待”に、長年この問題に関心を持ってきた私でさえも、怒りで心が震えた。
このような「悲劇」を二度と起こしてはならないこというまでもない。そのためには、この事件の真相を徹底的に追及し、明らかにする必要がある。
必要な法整備も早急になされるべきだ。亡くなったからといって、その罪が許されるわけでは決してない。
編集部註:初出時、「King & Princeの平野紫耀さんが書き込んだ」とした文章は、平野さんが書いたものではありませんでした。事実関係の取り違えがありました。当該部分を削除し、訂正します。(5月28日22:00追記)