リニア問題をとにかく複雑にさせたい川勝知事
静岡県の「水」を巻き込んだリニア議論は、県民ですら理解できないほどこじれにこじれてしまった。
現在は、JR東海が提案した「田代ダム案」(後述)に言い掛かりをつけてストップさせつつ、JR東海が山梨県内で進めようとしているボーリング調査を「山梨県内で出る地下水は静岡県の水だ」と主張して中止させようとしている。
この2つの問題を都合よく絡ませたい静岡県は、「山梨県の調査ボーリング」を田代ダム案とセットにすることまで画策した。
川勝平太知事は「(田代ダム案に待ったを掛けているにもかかわらず)田代ダム案が正式に決まるまでは、山梨県の調査ボーリングをやめろ」とJR東海に提案し、大井川流域市町の首長たちの賛同を得ようとした。
だが、流域市町長たちは静岡県の口車に乗らず、きっぱりと拒否した。その後のドタバタもあり、国の強い指導力を要請する事態にまでこじれている。
川勝知事へ不信感を抱く流域市町長たちは、田代ダム案を早期に進めることを望んでいる。
なぜ川勝知事は田代ダム案を潰しにかかるのか
田代ダム案とは、毎秒4.99トンの水利権を有する東京電力リニューアブルパワー(東電RP)が約0.2トンの田代ダムの取水抑制をして、大井川へ流れる水量をその分だけ回復しようというものだ。
JR東海の県境付近のリニア工事期間中の約10カ月間に限る対応策であり、これで川勝知事が厳しく求める「全量戻せ」にこたえることができる。
田代ダム案は、県境付近の工事期間中に流出が予想される約500万トンの地下水の全量戻しの解決策であるとともに、膠着するリニア問題の打開策につながる。ところが、川勝知事をはじめとする静岡県は田代ダム案を潰すことに奔走している。
田代ダム案を川勝知事がおいそれと了解できない理由はどこにあるのか?
本稿では、全国初の「水返せ」運動の舞台となった田代ダム問題から、「反リニア」を貫く川勝知事の嘘とごまかし、田代ダム案を潰そうとする根底にある真相をわかりやすく伝える。