国連が計画を作り、各国政府が達成を目指すこと自体が疑問

筆者は国連が「計画」を作って「各国政府」が、それを達成するために税制・規制を用いることに疑問を感じている。

むしろ、「社会主義の焼き直し」のようなプロジェクトは歴史を見れば失敗する上、それが人々に災厄をもたらす可能性を危惧する。

グローバル・ガバナンスの強化は、必ずグローバルな権威主義の台頭を促すことになるだろう。当然であるが、その時には、それらを担うグローバルな政府のガバナンスに関する「投票権」はわれわれの手に存在しない。

国連の多数は、劣悪な政治状態の国々の指導者の手にあり、自国の利益を追求する大国、自らの組織拡大に邁進する国際官僚とその取り巻きが、腐敗した国々からの支持を政治的に利用している。

イデオロギーではなく、実態を見る人々の視点は軽視されている。

渡瀬裕哉『社会的嘘の終わりと新しい自由』(すばる舎)
渡瀬裕哉『社会的嘘の終わりと新しい自由』(すばる舎)

SDGsの指標の肥大化などは、氷山の一角が表出したに過ぎない。

そのような組織が支配する未来、自治を失った未来都市が、ユートピアか、ディストピアか、考えるまでもなくわかることだ。

リベラルな価値観に支えられた権威主義は、個人として考えるなら「当たり前」の判断を軽視し、グローバルな決め事として、反対が困難な装いで、人々に軽薄な特定の価値観の受容を強制してくるのだ。

しかし、そのような裏側の話は日本ではほぼ耳にすることはない。

その結果として、SDGsのバッジを胸に付けて、国際機関の権威に盲目的に従う、恥ずかしい大人が量産されている。

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