悪口を言うのも時間の浪費

おせっかいを焼くのもほどほどにするのが賢明だ。もちろん心から相手が心配になり、関心を寄せてアドバイスをすることもあるだろうが、あえて自分のエネルギーと感情を浪費してまで、人のことに神経を使わないほうが、精神衛生上いい。

また、相手を怒らせてしまうかもと気にして面と向かって言えない話は、隠れて言うのもやめよう。

あなたが隠れてある人に関する不満を吐き出せば、聞く人は、初めは表面的には共感してくれるとしても、心の中では「この人も他人の悪口を言うんだからおんなじ」と思っているに違いない。

一瞬せいせいするかもしれないが、そのときだけだ。何も解決されはしない。悪口を言うだけ、時間の浪費なのだ。

マインドミニマリズムで内面が健康的になると、自然に心が健康な人々に囲まれるようになった。私を傷つけたり、苦しめる人々と距離を置くと、私を尊重してくれる人々だけが残り、似たような価値観を持つ人々と、新たに良い絆を結んでいることに気づいた。

すると驚くことに人間関係ではなく、他の分野でも成果が現れはじめた。時間とエネルギーの無駄な消費が自分にとってどれほどマイナスの影響を及ぼしていたのか、今更ながらよくわかった。

「キム先生、今日のお昼はお約束あります?」
「はい! 今日は一緒にお食事できないんです。明日なら大丈夫なんですが……」
「あ、どなたかと先約がおありなんですか?」
「ええ、自分との約束があるんです!」

私が会社で同僚たちと時々する会話だ。

新たな生活様式に適応するため人からの誘いを断る

同僚たちは私のこんな受け答えに最初は驚いていたが、最近ではよく理解してくれる。このように率先して自分の時間を優先させれば、他の人々も私の時間を尊重してくれるようになる。

夜に語学の勉強をするつもりだったのに、話があるから一緒に食事しようと友達に急に誘われたり、定時に上がってそのままヨガのクラスに行くつもりなのに、一緒に出られるから少しだけ待ってと同僚に頼まれたら、どうすればいいのだろうか?

週末に一人カフェでくつろいで本を読みたいのに、偶然会った友人に、話をしたいから同席していいかと訊かれたり、昼休みにジムで運動しようとしていたのに、職場の上司がランチに誘ってきたら?

ジムで運動するアジアの若い女性
写真=iStock.com/K-Angle
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かつては私も「今日は約束があって。明日はどう?」と一言口に出すのがとても難しかった。

「今急ぎの用事があるんだけど、明日話しても大丈夫?」と答えるのが、どうしてあんなに心苦しかったのか。

「今日は早く帰宅しないといけなくて」と言うのが、なんであんなに決まりが悪かったのか。「係長! 今日は参加できそうもありません! 次回、必ずご一緒させてください」と言うのが、どうしてあんなに憚られたのか。自分でも理解できなかった。

こんな些細だけれど、回避できない社会生活の居心地の悪さのせいで、なおさら明け方起床に惹かれたのかもしれない。しかし明け方の自分磨きイコール人間関係の問題解決とはいかない。明け方起床を実践すれば、会食はもちろん、夜の約束も控えるようになるからだ。

人付き合いを続けていく上で、過度なストレスを感じることなく人からの誘いを断るという慣れない経験も、新たな生活様式に適応していく過程の一部だと捉えればいい。