中学受験に「失敗」はない。その経験は一生の武器

【ぎん太】もちろん合格できたら嬉しいけど、たとえ不合格だったとしても、これ以上にないくらい勉強して、やりきったという経験は自信となって、今後に活きてくると思うんです。それって、合格以上に大切なことだと思います。

【尾崎】そうですよね、私も中学受験に「失敗」はないと思っています。志望校に合格できなくても人生が終わるわけじゃない。高校受験や大学受験など、再チャレンジする機会はいくらでもありますから。

【ぎん太】人生において、自分で選んだ目標に挑戦できる環境があることは素晴らしいことだと思います。これから受験する人たちには、中学受験という経験を一生の武器にするつもりで頑張ってほしいですね。

【尾崎】私からは、受験生をサポートする親御さんたちにひと言。言葉掛けも大事ですが、子供が安心するのは言葉だけじゃないのかなと、いまにして思っています。中学生になると子供は急に大人になってしまいます。子供が子供であるうちに、背中をポンポンと叩いてやるとか、頭をなでるとか、手をつなぐとか。そうした親子の触れ合いを大切にして、寄り添ってやってください。

尾崎さんの中学受験小説『きみの鐘が鳴る』

中学受験に挑む小学6年生たちの物語。クラスメートとのトラブルで転塾する子、父親に厳格に管理されて学ぶ子、得意・不得意が激しいマイペースな子、トップ校の受験に失敗した姉のことを引きずる母に悩む子……、そんな子供たちが2月の受験を目指す姿がリアルに、希望を持って描かれる。

ぎん太
東京生まれ東京育ちの、3兄弟の長男。塾にほとんど通わず母と楽しく学び開成中学に合格。現在、開成高校に在籍。おうちで楽しみながら学ぶ様子をマンガで描いた『偏差値40台から開成合格! 自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法』を刊行。好きな食べ物は梨と桃。特技は空手。
尾崎英子
大阪府生まれ、東京都在住。早稲田大学教育学部国語国文科卒。『小さいおじさん』で第15回ボイルドエッグズ新人賞を受賞して作家デビュー。著書に『ホテルメドゥーサ』『有村家のその日まで』など。中学受験小説『きみの鐘が鳴る』(ポプラ社)が話題。
(構成=尾関友詩 撮影=岡村智明)
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