日が昇るのと同時に近づいてくるチャンスが見えてくる
いつもなら想像で終わったこと、本当に時間が余っているのでなければあえてしなかったようなことを明け方にやってみよう。日が昇るのと同時に近づいてくるチャンスが見えてくる。その幸運をただつかむだけでいい。
思い起こせば、私も明け方にさまざまなことに挑戦していた。思い通りに成功を収められなかったときもあったが、奇跡のような結果に至ったことも多い。
以前、ロースクールに通っていた頃、経歴を積むためのサマーインターン選びにひどく苦労したことがあった。切に希望した法律事務所がいくつかあったが、そこは私の成績と志望書では戦意喪失するほど競争率が高かった。
学校のキャリア・アドバイザーも私がその法律事務所に志望することは時間の無駄だとし、合格する可能性のある他の事務所をリストアップしてくれた。
経歴を積める事務所がどこにもないのではと恐れた私は、結局キャリア・アドバイザーの助言に従っていくつかの法律事務所に、履歴書と自己紹介書を作成し提出した。だが、その中には本当に行きたい事務所は1つとしてなかった。
もちろんそこでも学べることは多かっただろうが、私が高い関心を持っていた訴訟分野は、当時志望した事務所では扱われていなかった。
志望書を提出したのちも「ロースクール2年生が訴訟専門の法律事務所で働くのはたやすいことではない」というキャリア・アドバイザーの言葉が耳に残った。
成績優秀で訴訟分野に経歴がある学生にだけ機会が与えられるというものだった。キャリア・アドバイザーは「現状では書類審査で落とされる可能性が高い」と私をなだめた。
一週間後に届いた2つのメール
結局、私は夢見てきたチャンスを自ら作ろうと心に決めた。午前も午後も授業に出て宿題をし、面接を受け、息つく間もない中、日常に支障がないギリギリのところで別途、当時の夢に挑戦する時間を捻出したのだ。
そして2週間程度、毎朝、米国全域で私が一緒に働きたいと思う法律事務所の弁護士にメールで直接志望書を提出しはじめた。駄目元だった。
当然、該当分野に合わせて履歴書と自己紹介書を修正しなければならない煩わしさもあったが、この程度の投資の価値はあると思えた。
実力不足なのに志望するのが内心恥ずかしくて、明け方にそっと志望書を書き送ったのかもしれない。それでもプラスアルファの時間にしていることなんだから、落ちても仕方ない、と考えるようにしていた。
そして一週間が経ち、驚かされた。なんと2箇所からメールが届いたのだ。1つは、書類審査に合格したから面接に来られる時間を教えてほしいという内容で、もう1つは担当弁護士直々の返信メールだった。
私が志望した法律事務所を出て、新しい事務所を設立する計画があるので、そこで一緒に働いてみる気はないかという打診だった。不思議でならなかった。
行動を起こしていなかったら決して来ることのないチャンスだった。無理だろうと思いながらも失うものはないと過度な期待はせずに挑戦してみたら、新たな門が開かれたというわけだ。