図17:適正な会議時間・役職別
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図17:適正な会議時間・役職別

今度はさまざまな形態に着目し、会議の理想的条件を考えていきましょう。まずは所要時間です(図17)。30分以上1時間未満という答えが、役職に関係なく最も多数派となりました。次点となった1時間以上2時間未満もそれなりの値なので、30分以上2時間未満がまず適正時間と考えるべきです。注目したいのは会議アレルギーに罹っていると思われる30分未満と答える人です。一般社員クラスで最も高く、役職が上がるにつれて割合が減っています。30分ではいくら何でも短いと私も考えます。

有意義な議論ができるための適正人数は、4~6人が48.9%と最も多く、次が7人から10人(36.5%)、3番目がぐっと下がって、会議に適正な人数があるとは思えない(8.5%)という答えでした。

図15:理想的な会議の構成メンバー
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図15:理想的な会議の構成メンバー

これを年齢別に見ると、4~6人派は若い世代、7~10人派は45歳以上と、明確に分かれています。遠方からメンバーを呼び寄せるには経費がかかるので、一度にたくさんの人数が集まったほうがお得だ、と年配者は考えるのかもしれません。

面白かったのは、会議の適正人数という考え方に否定的な見解を持っている人が45歳から54歳の、いわば酸いも甘いもかみ分けた世代に多かったことです。年齢をへるに従い、会議は人数ではなく、明確な目標や意見が活発に出る雰囲気といった要素が重要だ、と考えるようになるからなのかもしれません。

会議のメンバー構成に着目したところ(図15)、キーパーソン1名型が44.6%と過半数に近い支持を集めました。理由を尋ねたところ、偉い人が少ないので意見が言いやすい、現場をよく知る実務家同士の会議になりやすく意見がまとまりやすい、ということでした。実際はそれぞれ一長一短あります。物事の実行や伝達を確実に行うにはすべての意思決定者を集めるオールスター型、一般社員の声をトップが吸い上げる必要があるならフラット型、複数の利害を調整するならキーパーソン複数型、各課が分担して仕事に当たる場合は軽快型というように、使い分ける必要があります。

図16:会議の生産性の判断基準・役職別
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図16:会議の生産性の判断基準・役職別

こうやって開催される会議の生産性はどんな視点から考えるべきでしょうか(図16)。1位となったのは「会議で決定されたことから生み出された成果」で、役職が高い人ほど支持する割合が高くなっています。役職が高くなれば、成果を求める意識が高まるのはある意味、当然といえます。2位の「実行可能な議事が占める割合」は課長クラスならびに係長・主任クラスで高くなっています。対照的なのが3位の「参加者全員の満足度の高さの総計」で、課長クラスのみが低くなっています。満足度どころではなく、会議で実行不可能なことを決められてはたまらない、という声にならない叫びが聞こえてくるようです。

【調査概要】「gooリサーチ」の協力により、インターネットを通じて、全国の20歳以上の正社員1046人より回答を得た。男女比は、87:13。調査期間は2009年6月24~25日。折れ線の図は、全体の平均を100とし、そこから上下にどれほど離れているか、を示している。乖離が大きいほど強い特徴が出る。企業規模別、役職別、年齢別、ともに同じ形式。
(構成=荻野進介 図版作成=ライヴ・アート)