参加してもまったく意味のない会議に出てしまった経験は誰にでもあると思います。その場合、あなたならどうしますか(図12)。調査結果を見ると、役職が上がるに従って、「有意義な会議にしようと自分なりに努力する」人が増えていくので、私もほっとしました。発言するのに勇気が必要な「議論をはやく終わらせて、採決を急がせる」は、部長クラス以上と係長・主任クラスで高くなっています。一般社員にはなかなかできない発言ですが、課長クラスでも割合が低い理由はわかりません。「最後まで我慢する」のは、特に一般社員クラスに顕著で、時間が過ぎるのをひたすら耐えて待つ姿が目に浮かびます。
同じデータを年齢別に切ってみると、「最後まで我慢する」が25歳を境に急上昇しています(図13)。若者特有の感覚で、「おかしい」という正論を持ち続けていたのに、「抵抗しても仕方ない」と会社に洗脳される時期なのかもしれません。「自分なりに努力する」のほうは、30歳を超えた頃から値が高くなりますが、55歳を過ぎると、急降下します。気力が萎えてしまうのか、定年が近いから波風立てずにおこう、と達観してしまうのか定かではありませんが、この年代のモチベーションを維持する工夫が必要なことはこのデータからもわかります。
「嫌な会議」は誰にでもありますが、なかでも、会議で目標の未達成や失敗を叱責されたときの気持ちを聞いてみました(図11、14)。「それじゃー自分でやってみろ」と反発する人が25.7%と1位で、以下、「精一杯努力しているのに、わかってもらえない」(17.5%)、「よし、次はがんばるぞ」(13.3%)と続きます。役職別に見ると、部長クラス以上の人ほど「次はがんばるぞ」と奮起する割合が高い。出世するには人間が打たれ強くなければなりません。会議で雷を落とされても、それをエネルギーにかえてがんばっていける人たちなのでしょう。