割り切って付き合うことが大事

自分のことを話したいだけの人たちの振る舞いは未熟で、コミュニケーションの取り方は洗練されておらず、会話が双方、あるいは皆にとって楽しいものにはなりません。

その振る舞いを見て、周囲の人たちは「何だ、この人は」と思わずにはいられず、イヤな気分になってしまうものです。

したがって、そうした人たちを相手にする時は、仕事あるいは、そうするのが義理だと割り切って付き合わないと、がっかりすることになります。

相談者の方は、同じ相手に、繰り返し付き合わされているようですから、「もう勘弁して欲しい」という気持ちになっているのでしょう。

BLAHと書かれた紙を持つ人
写真=iStock.com/adrian825
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私も定期的に会う取引先の人から、いつも長い話を聞かされていたことがありました。

先月は、何時間もかけて、東大医学部を出て、よく名の知られた大学病院に勤務し、スポーツカー好きという息子の自慢話を聞いたかと思えば、今月は、他の難関大学を卒業した娘の自慢を聞くという具合です。

どんな相手と結婚し、どんな生活ぶりか。今は夫の赴任先の○○市で、どんな間取りの部屋に住んでいるか、といったことまで延々と話が続きます。

彼らは欲しがっている仕事を与えてくれることが多い

ただ、こうして話をする人たちは、こちらが欲しがっている仕事は与えてくれることが多いものです。

人は、話をトコトン聞いてくれる人には自分を認めてくれていると感じ、できるだけのことはしてあげたいと思うのです。

したがって、相手が仕事を欲しいと知っていれば、便宜を図ってくれるわけです。

聞き上手で営業をやっている人は、いつも自分の話を聞かせる見込み客から、「そろそろ何か買ってあげないとね」と、言われたことがあるのではないでしょうか。

相手との関係性から、もう話を聞かないようにするのは簡単というケースもあるでしょうが、仕事がらみの相手であれば、イヤだという気持ちは抑えて、演技をしながら話を聞き続けることも多いはずです。

その際には、代わりに、仕事の注文はしっかりともらうようにしましょう。

話を聞いている時間は、あなた自身が、あるいは勤務先の会社が、受注のために投資している時間です。もちろん、それは口にすべきことではありませんが、そうしたプロとしての意識は高く持っておきたいところです。

無料で客の話を聞いてもいいという(たとえば)ホステスさんがいたら、その人はホステス失格だと思いませんでしょうか。