“こづかい稼ぎ”にエネルギーを使うな

「働きアリの法則」と呼ばれるものがあります。

進化生物学者の長谷川英祐氏が働きアリの社会を研究したところ、主に2つのことがわかったそうです。

・全体の2割が「よく働くアリ」で、6割が「普通に働くアリ」、2割が「働かないアリ」
・2割の「よく働くアリ」を間引くと、残り8割のアリの割合は、やはり「2対6対2」になる。また「よく働くアリ」だけを集めても、「働かないアリ」だけを集めても、同様の割合に編成される。

じつに面白いですよね。

この法則はビジネス社会にも当てはまるといわれていますが、まったくもって同感です。私も多くの会社を見てきて、実感として、この法則は正しいと思っています。

であるならば、どんな組織に属していようとも、2割の「よく働く社員」になる。これこそまさに「それでも稼ぐ人」の目指すところです。

まだ若手のみなさんは、「2割か。できる先輩や上司もいるし、それ、ハードルが高いな」と感じるかもしれません。

たしかに若いころは、一生懸命働いても、なかなか成果も評価も簡単には上がりませんからね。

けれども数年先をイメージしてみてください。

運動でも仕事でも「成長カーブ」というものがあります。最初は少しずつ緩やかに成長し、ある時点を境に、ぐんと急上昇するものなのです。

仕事の「成長カーブ」では、だいたい30代半ば前後のある年齢を境に、鋭角の上昇曲線を描くようになります。

といっても、中途半端な副業なんかをしていてはダメです。仕事一筋、脇目も振らずに頑張り続けることが前提になります。

そうしてだんだん仕事ぶりが認められるようになり、若くして昇進していくと、報酬も成長曲線と同様、鋭角に上がっていきます。

若いころは体力があるので、副業でけっこうな“こづかい稼ぎ”ができるでしょう。残業より副業をしている人のほうが年収も高いかもしれません。

しかしそうやって本業をサボっていると、いつまで経っても本業のほうの年収は上がりません。

加えて数年で、体力と比例するように副業収入も落ちていくはず。本業を頑張っていた人が、あっという間に副業によって目先の利益を取っていた人たちの年収を追い越すのです。

2割の「よく働く社員」になるとは、そういうことです。