大卒より高卒のほうが頼りになる

「一緒に働く仲間は自分たちで決める」というスカウティングの中で重視しているのが価値観です。といっても、けっして難しいことではありません。

働く意欲があって、ゴーゴーカレーを通じて「世界に元気を届けたい」という思いがある人なら誰でもいいと考えていますが、そうした中で頼りになるのが地方出身の高卒の若者たち。4年間をなんとなく過ごしてしまうことが少なくない大学生と比べて、早くから自立して働くことへの覚悟が生まれているからです。

彼らはゴーゴーでどんな部署に配属されても、ガンガン働いてくれます。働く意欲が旺盛で飲み込みも早いので、日に日に成長し、昇進していきます。

地方出身の高卒の若者と並んで、頼りになるのが外国の方々です。専門学校や添乗員の時代から外国の方々と接してきていたので、もともと起業時からグローバル化を目指していて、外国籍の方をたくさん仲間にしたいと考えていました。

少子高齢化で若者が減っている日本は、外国の方がいなければ多くの産業が回らない大変な状況になっています。飲食業界も例外ではありません。外国の方、特にアジア系やアフリカ系の人に嫌悪感を示したり、見下したりする人も少なくないようですが、とんでもないことだと思います。

外国人にも当然いろんな人がいるわけですが、日本に来て働いている人々はバイタリティがあって、少なくとも2カ国語は話せるわけですし、とても優秀な人が多い。

首都圏のコンビニエンスストアでは、もう20年以上も前から外国人スタッフを当たり前のように見かけます。彼らは流暢に日本語を話し、レジ打ちから品出し、コピー機やコーヒーメーカーのメンテナンスなど多岐にわたる仕事をテキパキとこなしていて、素直に頭が下がります。

コンビニエンスストアでバーコードをスキャン
写真=iStock.com/TAGSTOCK1
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一緒に働く仲間は自分たちで選ぶ

外国の方に支えられているのは、ゴーゴーカレーも同じです。思い出すのは、西新宿に出した1号店でのこと。オープンから連日の大行列で、猫の手も借りたい状態になったことは先述のとおり。

そのとき、これはまずいと思って店先に「アルバイト急募」の貼り紙をしたところ、さっそく翌日に応募してくれたのが、陳さんという中国・上海出身の女性でした。この方、日本語はたどたどしいのですが、皿洗いがものすごく早くて本当に助けられました。直後に加わった韓国人のソノンさんという女性とともに大活躍してくれました。

陳さんはスカウティングでもいい働きを見せてくれました。オーダーに対してキャベツの千切りが追いつかない状況を見て、彼女は言いました。「私ね、キャベツ切るのすごく早い人知ってるよ!」「おお! じゃあ、明日にでも連れて来てくださいよ!」それで駆けつけてくれたのが元板前の日本人男性・馬島さん。

彼は、われわれが2人でやっていたことを1人でやってのけるほどのすさまじいスピードでキャベツの千切りの山を築くなど、本当に助けられました。

連日連夜の大入り満員をさばけたのも、この3人がいたからといっても過言ではありません。いま思えば「一緒に働く仲間は自分たちで選ぶ」を、創業時から実践していたわけです。