仕事の失敗を悔やんで「なんで、あんなことをしてしまったんだろう」と引きずっていたら、次の仕事の効率が悪くなり、生産性が落ちます。「次は失敗しないように気をつけよう」と気持ちを切り替えて、今、目の前にある仕事に全力で取り組みましょう。

仕事の失敗は、次の仕事で取り返せばいいのです。いつまでも過去にこだわっていたら、次の仕事の質の低下をまねくばかりか、心身を病んでしまうことにもつながりかねません。

後悔は「心の自傷行為」、ブッダは「反省」を推奨

「反省はしてもいいけれど、後悔をしてはいけない。まったく意味がない」

ブッダは後悔というものを非常に厳しくいさめました。

大仏の手
写真=iStock.com/THEPALMER
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「あのときこうしておけばよかった」「あんなことしなければよかった」という後悔は、心の傷口を自分で刺しているのに等しいこと。過去に抱いた嫌な気持ちを、わざわざ、自ら、もう一度味わっていることになるのです。

同じ失敗を何度も悔やむということは、グサッ、グサッと自分をめった刺しにしているのも同然と考えましょう。

いったん気持ちが落ち着いたとしても、その1年後、2年後に再び思い出して……ということをやっていると、全身傷だらけ、トラウマまみれになってしまいます。

いうなれば“心の自傷行為”であり、自分で自分を痛めつけていることになります。

後悔の念が生まれるのは仕方がないことですが、ただ悔やむのではなく、なぜそれをやってしまったか(やらなかったか)を冷静に分析して、未来につなげる糧として活かそうとする姿勢を持つことは大切です。

これは後悔ではなく「反省」であり、ブッダも推奨しています。

黒歴史を笑い話にできる人に幸せがやって来る

あえて後悔を楽しむのであれば、それもありでしょう。

「あのときは俺もガキだったなぁ。なんであんなことをしたんだろう。若気の至りって怖いなぁ」

こんなふうに自分のなかで、あるいは他人に対して笑い話にできるのであれば、自分の感情や過去の言動を客観的に見つめられているということです。いわゆる“黒歴史”を明るい話題に変えることができているなら、思い出したときに心に傷を負うことはありません。

要は、過去に起こった出来事をどうとらえるか。どのように考え、自分のなかでいかに処理していくかが重要ということです。

自分で選んでやった(やらなかった)ことだと自覚する。
決して他人のせいにしない。

これらも、後悔してしまったときにとるべき、有効な対処法です。

「親がこの学校のほうがいいというから入学したのに」
「○○さんの言葉を信じたせいでひどい目にあった」

こういった考え方は、他人に責任を押しつけてしまっています。相手とどんな関係にあろうが、いかなるアドバイスをされようが、最終的に行動に及んだのは自分自身。その決断を下したのは、あくまでも自分なのです。