世界的に「繊細」に向かう人間関係の最先端のケース

精神面における潔癖主義とは恋愛において相手の身体上の、つまり、物理的な清潔さと同時に相手が自分を一点の曇りもなく愛してくれることを求める精神的な清さを求める潔癖症の人を指す。また、相手が自分に対していかなる隠し事もせず、少しも疑いを持たずに自分を信じてくれることも求める。そんなあらゆる面での「潔癖症」の人を意味するらしい。

中国版インスタグラム「小紅書(RED)」に投稿された、精神潔癖症に対するカウンセラーの分析は、同症になる人には一人っ子育ちであることや、近距離の人間関係が苦手で相手が自分を傷つけるのではないかとおびえるなどの共通点があると指摘する。そして、これを治すには長期的に勇気を持って感情に向き合う経験が必要と親切にアドバイスも示している。

人との近距離のコミュニケーションが苦手ゆえに、必要以上に自分の感情が傷つくのを恐れてしまう傾向は中国の若いカップルに限らない悩みだろう。勇気を持って感情に向き合うリアルかつ近距離の関係が不足しがちなのは、近年、日本も含めて世界中で見られる新しい傾向だ。中国の若者は世界的に「繊細」に向かう人間関係の最先端のケースとも言えるのかもしれない。

スマートフォンを使用する女性
写真=iStock.com/xijian
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「感情潔癖症」の人たちからの強烈なコメント

一方、同記事には次のような感情潔癖症の人たちからのコメントがたくさん寄られている。これが強烈でいかにも目を引く。

「感情潔癖症は正常なこと。なぜ(私が)治す必要があるの? 治すべきは相手に対して誠実でない人の方だ」
「もし、男の人が他の女性と色々なことがあったなんて知ったら、どんなに好きな相手でも逃げ出したい。絶対に一緒にいたくない」
「恋愛をしたことのある男の人は受け入れられない。前の彼女と色々あったと思うだけで気持ちが悪くなる」
「私はもう35歳だけど、感情潔癖症。でも妥協するつもりはない。私と同じようにこれまで恋愛をしたことのない人を探し続ける」

これらは皆、女性による書き込みだ。感性は中学生のようで、少し心配になってしまう。

このことを驚いて話したところ、30代の独身男性は「いる、いる、確かにこういう奴いる!」という。彼の友人(同じく30代の独身男性)も、女性は他の男性と付き合った経験はない方が「純粋」で好ましいと考えているという。一見すると「古風さ」への回帰のようだが、本質的には感情潔癖症の一種かもしれない。