気がつくと自分は変わっている
「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」という、仏教によって伝えられた言葉があります。
たとえ人間関係においてつらくても、苦しくても、イライラ・ムカムカしても、「相手を何とか変えよう」とすれば、相手は自我の暴走により思わぬ変化を起こし、あなたとの関係はより深刻なものになります。
あなたを疲れさせる苦手な相手や関係性がすぐ変わらなくても、しゃあないのです。
あなた自身が少しずつでも、どれだけ時間がかかっても、自らが変化・成長していこうとする姿勢と行動が、相手との化学反応に確実に影響を及ぼすのです。
我慢する人の心理
身近な人に不満を感じることは、あると思います。
たとえば、
・職場で同僚や後輩がテキパキと仕事をしないのでイライラする。
・恋人がいつも約束の時間に遅れてくる。
・趣味のサークルの仲間が何かと面倒なことを押し付けてくる。
このように相手の言葉や行動に不満を感じたとき、あなたは不満を伝えますか?
それとも我慢しますか?
不満の内容にもよりますが、たいていの人は、「言わないで我慢する」ようです。
不満をすぐに伝えない人には、2つのタイプがあります。
1つは、最終的に攻撃的な言葉で怒りを爆発させてしまうタイプと、もう1つが、イライラを募らせ相手を見切ってしまうタイプです。
まず、「最終的に攻撃的な言葉で怒りを爆発させてしまうタイプ」です。
不満をすぐに伝えない理由は、「不満だ! なんて言うと関係がギクシャクする」
「言うと相手に嫌われてしまうかもしれない」と考えるからです。
つまり人間関係がうまくいかなくなることを心配しているのです。
しかし、不満を「我慢」しても、「消えてなくなる」わけではありません。いつまでたってもスッキリしませんし、ストレスがたまります。
カウンセリングの世界では、人が相手に不満を伝えるということは、「最後通告(最後の要求をし、相手が受け入れなければ、平和的な交渉を打ち切る宣言)」に近いと言われています。
不満を我慢して、我慢して、それでもまだ我慢して……、ついに限界が来たときにぶちまけるので、「怒りの感情」として、一気に相手へ飛んでいきます。溜めに溜めた不満ですから、そのときの不満だけでなく、過去のうっぷんも一気に出てきます。
「それを言っちゃおしまいよ」という「最後通告」とは、このことです。
表面的には穏やかで、何事もないように見えるのですが、我慢して抑え込むたびに、心の中で相手に対する怒りや攻撃性が蓄積されていくのです(受動的攻撃性)。
次に、「イライラを募らせ相手を見切ってしまうタイプ」です。
親子や夫婦、恋人などの、より甘えられる人間関係では、他の人に対してよりも不満を言いやすいかもしれません。すると、いつも「売り言葉に買い言葉」となり、相手との「勝負」になりがちです。
言えば言うほど嫌な感情を抱え、疲れ果ててしまうでしょう。
そして、「もう、言ってもムダ!」とレッテルを貼り、あきらめる人が多いのです。
でも、完全にあきらめきれるわけはなく、いつもイライラしています(現実からの逃避)。これでは、当面のストレスから逃げているだけなので、完全に満たされることはありません。
いかがでしょうか?
あなたはこのどちらかに当てはまりませんか?