「地上資源の経済圏」をつくる

世界的な企業も、私たちの活動に関心を持ってくれるようになりました。

世界的なアウトドア用品等のメーカー「パタゴニア」との取り組みもそのひとつです。また、フランスに本部を置くエネルギー、輸送、環境分野における研究・研修機関であるIFP Energies nouvellesと、IFPのグループ会社であるAxensとも連携し、ライセンス事業の展開に向けた取り組みも進めています。

回収拠点を経由して集められた不要品をリサイクルして地上資源に戻し、それを用いてメーカーが製品をつくる。小売店を通じてその製品を販売し、使い終わった製品が小売店の回収拠点を通じて再び集められてリサイクルして、地上資源に戻される──。

これが永遠に繰り返される、「地上資源の経済圏」をつくることが私の目標です。

クリーンなエネルギーで回るエコシステムのイメージ画像
写真=iStock.com/HASLOO
※写真はイメージです

「三方よし」で日本が環境先進国になる日

この地上資源の経済圏では、みんなが地上資源を使用した製品を買えば買うほど経済が回る(経済によし)、CO2が削減される(環境によし)、そして、戦争やテロを無くす(平和によし)という「三方よし」の世界を築くことができるはずです。

現状、世界に目を向けると、私たちが実現した技術を商用稼働させている国はほかにありませんし、私たちが築いたようなリサイクルの仕組みも存在していません。

でも、日本にはそれがあります。世界に循環型社会のモデルを見せられる国は、日本をおいてほかにありません

どの国よりも早く、完成度の高い地上資源の経済圏を構築し、地球に平和をもたらす。これこそが平和憲法を持っている国、日本だからこそできる世界平和への貢献の形だという想いを日々強くしています。

(構成=鈴木雅光)
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