廃棄物という名の「地上資源」
今、「廃棄物」と申しましたが、私はこの地球上に廃棄物は存在していないと考えています。廃棄物ではなく「地上資源」です。
古着でも、飲み終えた後のペットボトルでも、あるいは廃棄された携帯電話でも、それらをリサイクルすることによって再び製品としてよみがえらせることができれば、それは立派な資源です。
この地上資源を活用することで地下資源を採掘せずに済む世の中にすれば、地球環境を守るのと同時に、戦争のない世界を実現できるのです。
リサイクル素材を集め続ける「仕組み」が重要
しかし、このリサイクルを世の中に広めるためには、バイオ燃料の原料となる大量の古着を集め続けなければなりません。それには、消費者の行動変容がなによりも大事になってきます。
一人ひとりの消費者が、リサイクルを自分事として捉えてくれない限り、古着の回収は困難です。回収できなければせっかくの技術も宝の持ち腐れになってしまいます。
そこで消費者に「どこでリサイクルをしたいか」というアンケートを行ったところ、自分が製品を購入したお店にリサイクル品を持っていきたい、という声が非常に多いことがわかりました。決して役所などではなかったのです。
そこで、さまざまな小売店に声をかけて、不要になった衣類等の回収ボックスを設置してもらえるように協力を仰ぎました。
これまで数百社と連携して回収ボックスを設置し、とくに古着については「BRING」という名称で、全国で回収を続けています。