「小エビをザリガニで」その国ならではの素材がある

――フィンランドではお寿司は人気があるんですか。

ものすごくあります。高級店からテイクアウト専門のお店まで、ヘルシンキ市内なら歩けばお寿司屋さんにあたるというぐらい。新年のお祝いにお寿司を食べるという人もいます。スーパーの中にお寿司コーナーがあるし、そこにキッチンまであって、テイクアウト用のお寿司をそこで握ってもらうことも多いです。『ウーバーイーツ』のような料理を宅配してくれるサービスがこちらにもあるのですが、人気ナンバーワンはお寿司らしいですよ。

――どんなネタが人気なのでしょうか。

一番人気があって美味しいのは、やっぱりサーモンですね。ただフィンランドで獲れる白身魚やザリガニを小エビの代わりに使って、フィンランドの食材で、季節感を大事にする点は日本と同じですね。北欧ならではのバルト海でとれたものをよく使います。

一度、「仕入れたからさばいてみて」と、いきなり小鮫みたいな魚を出されたことがあります。よくわからないので、YouTubeで調べて(笑)。どうすれば良いのか戸惑いながらも、なんとかさばくことができました。

このような初めて扱う食材は味付けも一人では想像ができないので、お寿司担当以外のシェフたちからもアドバイスをもらいます。ヨーロッパの料理はソースを使うのが特徴的なので、どんなソースとお寿司の組み合わせがいいのか、いつもディスカッションしながら一緒にメニューを考えています。