知識・練習方法・戦略の“開放”で起こるイノベーション
関東学生連合はオープン参加だが、1区の新田颯(育英大)が序盤で集団から抜け出して、一時は独走。正月の駅伝中継で大いに顔と名前を売り、3番目に2区選手にタスキをつないだ。川崎監督は「やりたいことをやりなさいよ」という指示していたそうで、細かなレースの組み立て方も各校(選手)に委ねたかたちだ。
来年100回大会を迎える箱根駅伝に向けて、今回の関東学生連合に所属した選手とその大学は多くの知識と貴重な経験を得たことだろう。
指揮官たちは選手が成長できるように、工夫をこらして、最適な強化スタイルを模索している。苦労して確立したトレーニングメニューは誰にも教えたくない、という意識が働くのは十分に理解できる。
しかし、同じチームが同じやり方で勝ち続けるのは“進歩”がない。個人的にはスポーツ界も「オープンイノベーション」を推し進めてほしいと思う。
各チームが最新の知識、練習方法、戦略を“開放”することで、より多くの情報が集積されていく。これらをヒントにまた新たなものが誕生していき、その競技は大きな進化を遂げるはずだからだ。より魅力的なものになることで、注目度が高まり、競技人口も増えていく。そういう好循環が、その競技をさらに発展させていくのだ。