自分でお金を払って、会話の主導権を握る

自分に自信が持てるようにするためにはどうすればいいのか? どうしたらスムーズな会話が身につくのか?

その答えは、ズバリ、キャバクラにあります。僕はキャバクラで会話のトレーニングをして、なんとか芸能界でもやっていけるようになりました。これは決して大袈裟な話ではありません。

困って落ち込んでいるレストランを経営する男
写真=iStock.com/RRice1981
※写真はイメージです

なぜキャバクラでは堂々とできるのかというと、こっちがお金を払っているから。

「お客様は神様」という表現がありますけど、すべての客商売は本当にその通り動いている。店に入った時点で、客側が女の子に対して精神的なマウントを取っている状態なんですよね。

逆に女の子側は「お仕事はなにをされているんですか?」「この前に別のお店に行かれたんですか?」「普段、どういったものを食べるんですか?」といった調子で当たり障りのない話を振ってくるけど、それは客側の機嫌を損なわないように気を遣っている状態。つまり会話の主導権は最初から最後まで客側にあるんですよ。

これはキャバクラだけじゃなくて、メイド喫茶やコンカフェでも同じ話。もちろんガールズバーやスナックでもOKです。

大事なのは「自分でお金を払って、会話の主導権を握る」という経験を積み重ねること。とりあえずここではメイド喫茶もコンカフェもガールズバーもスナックも一緒にして、「キャバクラ」ということで話を続けます。

とにかく「お金を払っているのは自分」ということを念頭に置いておけば、コミュニケーションを取る際の精神的障壁は低くなるはず。キャバクラでは、あなたが打ったボールを嬢たちが全力で拾いに行ってくれますからね。

だって仮に自分が黙っていて、相手も同じように黙っていたら、その時点で「仕事をしていない」という烙印をその子は押されるわけじゃないですか。そんなのプロ失格だし、いわば職場放棄ですよ。

キャバクラはコミュ力向上の名門校

キャバクラ嬢の任務はその場の会話を盛り上げて、客にドリンクを注文させて、指名やボトルを勝ち取ること。努力するのは自分じゃなく、あくまでも女の子側なんです。だからこそ精神的に余裕が生まれるし、コミュニケーション特訓の場としては申し分ないんですよね。

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「ドリンク注文させていただいてもよろしいですか?」
「飲ませたらなにか面白いことしてくれるの?」
「う~ん、それは今すぐは思いつかないけど……」
「思いつかない? じゃあダメ~!」

こんなくだらない会話をキャバクラで繰り返すことで、本当に僕は会話する術をイチから学びました。

間の取り方、雰囲気の和ませ方、咄嗟の受け答え、機転の利かせ方、相手との交渉術……。

学校ですよね、キャバクラは。それも相当な名門校。

かつて北方謙三先生は「ソープに行け!」と繰り返していましたが、僕は「キャバクラに行け!」って声を大にして言いたいです。

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