「おはよう」と言われて気分を害する人はいない

まずは基本編。人間関係を構築するレッスン1から始めると、きちんと挨拶をすること。これをまずは徹底させてほしいです。

こんなことは当たり前すぎて、わざわざ本に書くことじゃないと僕も思うんですけど、その当たり前なことが意外にできていない人が目立つ。できているつもりになっている人も、そこを洗い直してほしいんです。

例えば毎朝、会う人に必ず「おはよう」って言うことを自分へのノルマとして果たす。「おはよう」って言われて気分を害する人はいないでしょうし。

そしてお正月になったら、とりあえず「あけましておめでとうございます」って連絡する。僕なんて「あけましておめでとう」は誰にでも言っていいものという認識でいますから、無差別テロみたいにLINEを送りまくっています。

去年は全然連絡を取っていなかったキャバクラ嬢とかを含めて、全部で2000人くらいに送ったかな。

それで向こうも「は? こいつ、まったく連絡してこなったくせになんなの?」とは思わないでしょう。もし仮にそう考える人がいるとしたら、むしろそっちのほうが非常識。だってお正月に挨拶するのは正しい行為ですから。こっちに非はまったくないんです。

これくらいのレベルから最初はスタートしたほうがいいんですよ。とりあえず「おはよう」と「あけましておめでとう」を全方位的に言ってみましょう。

「あけましておめでとう」メールだったら、返信が返ってこなくても傷つかないでしょ? 社交性を高める練習としては最適だと思います。

毎日の挨拶がクリアできたら、レッスン2以降は「会話のきっかけを作るため、わざと相手の前で消しゴムを落とす」「共通の話題を作るため、相手が興味あるジャンルを下調べする」「基本は相手に同意して、共感トークを盛り上げていく」とかが出てくるんですけど……。そういったことを初心者が一気に覚えようとしても、おそらくパンクするはず。

まずは、人の目を見ながらきちんと挨拶することで、周囲からの印象を変えるということが大事でしょうね。

一緒に街を歩く2人の若いビジネスマンのリアビューショット
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

自己肯定感が低いと、まわりから面倒臭がられる

僕の知り合いで、やたら謝る人がいるんです。なにも悪いことをしていないのに、「ごめんなさい、ごめんなさい」と言ってくる。

会話するときも、枕詞みたいに「すいませんけど~」と切り出してくる。常にビクビクしている感じで。

それに対する周囲の印象は「謙虚だな」というふうにはならないんですよね。なんでそこまで卑屈になるのか意味がわかならい。なにを言っても下から来られるから、「面倒くさい奴だな」ということになる。結果、なんとなく距離を取りたくなるんですよ。

大体、なんにでも「ごめんなさい」と言っていたら、言葉が安くなるじゃないですか。「本当にこの人、申し訳なく思っているのかな?」って疑いの目で見ちゃいますよ。口癖で「ごめんさい」って言ってるだけだったら、その言葉に乗っている感情なんてゼロでしょう。「ナメてるのか?」って話になりますよね。

でも、そういうオドオドしたコミュ障の人に対して「自分で門を閉じているんだから自業自得」と切り捨てるのも僕はどうかと思うんです。だって本人は苦しそうにしていますから。きっと自分なりに悩んでいるはずなんです。

なぜその人は堂々とできないのか? それは自分に自信が持てないからという話になる。「じゃあ自分に自信を持て」って口で言うのは簡単ですよ。でも、自信を持つ方法がわからないからオドオドしているのでしょう。

今は「自己肯定感」が時代を象徴する単語になっているじゃないですか。メディアやSNSを見ていると、「自己肯定感」というフレーズをやたら見かけます。

つまり、それだけみんな悩んでいるんだと思う。なんでも謝ってしまうオドオドの子を笑えないというか、みんな多かれ少なかれ同じ要素を持っているんですよ。

こうやって偉そうにしている僕自身だってそう。もともと僕は会話が全然得意じゃないんです。

場の空気を読むのが苦手ですから。聞かれたことに対してチンプンカンプンなことを答え、その場が微妙な空気になるなんていうことはしょっちゅうあります。根本的に人見知りですしね。

じゃあ僕の場合はどうやって克服したか? その答えをこれから解説していきたいと思います。