0人→1人に結びつく婚姻増が急務ではないか

令和2年に出された「少子化社会対策大綱」においては、新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へと題して、基本的な考えの1番トップに「結婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくる」という項目があげられ、具体的には「若い世代が将来に展望を持てる雇用環境等の整備」「結婚を希望する者への支援」となっています。

子育て支援より上位に、この若者の経済環境整備や結婚支援をあげており、この時点の判断としてこれは間違っていません。にもかかわらず、「異次元の少子化対策」といわれて出てきたものはほぼすべて子育て支援のバラマキばかりで、大綱に書かれた、特に若者の経済環境の整備どころか、かえって彼らの可処分所得を減らしているような状況です。一体何のための大綱だったのでしょうか。

もちろん、子育て支援は重要で、それはそれで取り組むべき問題ですが、今突きつけられているのは、子ども2人を3人に増やすこと以上に、子ども0人→1人に結びつく婚姻増を図っていかなければならないのではないでしょうか。

私が試算した「発生結婚出生数」というデータによれば、1婚姻あたり(たとえその後離婚があっても)平均約1.55人の子どもが生まれているのです。2021年婚姻数はわずか50万組でした。2022年の出生数が80万人を切るといわれていますが、50万組×1.55人=77.5万人となり、当然の結果なのです。

それとも、政府はこのまま生涯未婚率と生涯無子率を上げ続け、「子を持つ」ということは、選ばれし一部の人たちの特権化としたいのでしょうか。

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