「悪いこと」と認識できても抱え込んでしまう
Q.子どもが性被害にあったとき、大人に言えない理由は?
A.性被害にあった子の多くは、そのことを親や周囲の大人に伝えることができません。なぜなら、小さな子どもの場合、自分がされたことに対して違和感を覚えても、それが「性被害」だとわからないからです。「悪いことをされている」と認識することで、初めて周囲の大人に伝えられます。
そして、思春期に近づき自分が性被害にあったと認識できるようになると、今度は「言いたくない」と隠してしまいます。自分が性被害にあったことを親に知られるのが恥ずかしい、事実を伝えたら親に怒られるかもしれない、親や大人に被害を伝えたら大ごとになってしまうと悩み、ひとりで抱え込んでしまうのです。そのため、思春期の性被害はより大人に報告されにくくなります。
Q.子どもたちの性被害に気づく方法は?
A.子どもから親や周囲の大人に対し、性被害にあったことを伝えるのはかなり難しいと思います。ただし口にしなくても、被害にあった子どもたちは日常生活の中で、抱えている辛さが「体の症状」や「行動の問題」として現れることがあります。お子さんの様子がいつもと違うなと感じるときは、ちょっとした声にも注意深く耳を傾けてあげてください。
また、ひとつの性被害が発覚した場合、それ以外の被害も起きている可能性があります。被害を受けた子どもが言っていないことや、言えないこともたくさんあるので、何が起きているのか慎重に見守る必要があります。