こうした仕事の受け方をしていると、次のような状況に陥ります。

①おいしくないから、仕事がつまらない
②やらされ感が募る
③頑張って終わらせても、つまらない仕事がどんどんやってきて悪循環にはまる

これでは、自由どころの騒ぎではありません。

こうならない秘訣ひけつは、与えられたつまらない仕事をそのまま食べずに「自分好みに料理すること」です。

淡々とつまらない仕事をして消耗するほど、人生の貴重な時間は長くありません。

与えられた仕事が「つまらない仕事」だと感じたら、なんとか料理して面白くできないかを考えてみましょう。

人参であればカレーに、ナスであれば豚肉とナスの味噌炒めに料理して食べる。料理なら当たり前のことですよね。仕事でも同じなのです。

たとえ一時的に仕事が増えたとしても、自分がおいしいと感じられるように料理することがポイントです。

それができれば、あなたは次のような状況を手に入れられます。

①仕事が面白いと感じられる
②主体性と粘り強さが生まれる
③面白い仕事で業務時間を満たせるようになる

「上司や会社がイチ社員にそんな勝手を許すはずがない」なんていう声が聞こえてきそうです。確かに何も言わずに勝手にやると、何か言われそうですね(笑)。

もちろん、内緒ではできません。上司や会社にメリットがある形でそれをやれば良いのです。

「仕事は自ら創るもの。与えられるものではない」これが会社員3.0の仕事への向き合い方です。

僕は「カスタマイズの扉」を開いて、業務時間のほぼすべてを「面白い仕事」に変えていきました。実際にやってきた仕事を例にして、「仕事を料理する方法」を説明しましょう。

オフィスの引っ越しという「やらされ仕事」も面白く料理できる

つまらない仕事は、どんな会社にもあります。「強制されたオフィスの引っ越し」なんてその最たるものです。

新規事業開発スタッフ70人の総括業務をしていたときの話です。

他の部門が同じフロアに引っ越してくることになりました。そこで僕の部署に「10mほど横に移動してもらえないか?」と依頼がありました。

「移動に伴う予算はある程度使ってよい」とは言ってもらえましたが、業務スペースは狭くなるし、半ば強制的な、なんとも気の進まない「つまらない仕事」だと感じました。業務スペースが狭くなってうれしい人なんていませんし、10mとはいえ70人での引っ越しは面倒なものです。

この「与えられたつまらない仕事」を「面白い仕事」に料理できないか?

オフィスに積み上げられた段ボールと一つの箱を運ぶ男性
写真=iStock.com/shironosov
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