美しさは武器ですか?
――ご自身のビジュアルは武器としてお考えですか。
シシド うーん……そう、ですね、武器……ですね。邪魔なときもいっぱいありましたけど。
――たとえば?
シシド 表情ひとつとっても、なんか「ツン」と何でもこなしているように見えるみたいなんですよ。「ああ、あたしとは違うから」って友だちとか周りの人間に言われることとか、すごく苦痛なときがありましたし……。「そう言うあなたとわたしは、何も変わらないよ」って思っていたんですけれど、一緒の土台で話せていない気がしちゃったんです。
――シシドさんのブログを拝見しました。女性同士の呑み会に行く場面があって、「私も女子会に行くんです」と書かれていましたね。あの意味が今、繋がりました。ただ、周囲にそう見られてしまうのはクールビューティな人の宿命ではないかと思うんです。
シシド そうなんでしょうか……。
――メジャーデビューして、メディアにビジュアルが流れていくと、見た目のイメージが先行することはどうしてもあると思います。
シシド はい。
――「美人ドラマー」「帰国子女」「身長175センチ」といった記号は、出だしの部分で人の興味を惹くときには有利に働くと思います。でも、それがシシド・カフカであろうか、となったときに、ズレが発生するリスクはありますよね。
シシド そうですね。最初はプロフィールひとつにしても、「この『モデル』って文字、消せないんですか?」とか、細かいところすごくいっぱいあったんですけれど。走り出してしまって。何か自分の中で外れたのか、わからないですけれど、今は「すべてがひとつのきっかけになれば」って思っています。そういう機会を与えて戴くということが、今は大切だったり、ありがたかったりするので。
次回予告
なぜ、デビュー前に山口百恵のカヴァーをYouTubeに流したのか。[次回「シシド・カフカの自分戦略 vol.2」]は7月6日オンサイトの予定です。
(構成=PRESIDENT Online 編集部 撮影=佐藤 類 スタイリング=H.P.FRANCE)