映画「MY HOUSE」の舞台は、原作の東京・隅田川沿いではなく、堤幸彦監督の故郷・名古屋だ。ホームレスが東京よりも目に見える街。医師が偉く、エリート中学生が偉い街。この街を舞台に選んだ狙い、そして効果は何だったのか。そして、三浦展さんが堤監督と「ドキドキさせる」かつて観た「50年前に撮られた団地の映画」は何か。  >>vol.1はこちら


堤 幸彦

映画監督、演出家

1955年、愛知県生まれ。法政大学中退、東放学園専門学校放送芸術科卒。テレビディレクターを経て、88年に故・森田芳光プロデュースのオムニバス映画「バカヤロー! 私、怒ってます」内「英語が何だ」で映画監督デビュー。91年にはオノ・ヨーコ主演の「ホームレス」をニューヨークで撮影している。95年に手がけたテレビドラマ「金田一少年の事件簿」が、その斬新な演出で大きな話題となり、以後「ケイゾク」「トリック」「SPEC」と大ヒットドラマを連発する。主な映画監督作品に「さよならニッポン! GOODBYE JAPAN」(95)、「トリック劇場版」(02)、「明日の記憶」(06)、「自虐の詩」(07)、「20世紀少年」3部作(08~09)、「BECK」(10)、「はやぶさ/HAYABUSA」(11)、「劇場版 SPEC~天~」(12)など。

 

三浦 展

社会デザイン研究者/株式会社カルチャースタディーズ研究所代表

1958年、新潟県生まれ。82年、一橋大学社会学部卒、パルコ入社。86年、マーケティング情報誌「アクロス」編集長となる。90年、三菱総合研究所入社。99年、世代、家族、消費、都市問題等の研究を踏まえ、新しい社会デザインを提案している。2005年刊行の『下流社会』(光文社新書)が80万部のベストセラーとなる。『「家族」と「幸福」の戦後史』(講談社現代新書)、『ファスト風土化する日本』(洋泉社新書)、『これからの日本のために「シェア」の話をしよう』(NHK出版)、『無印ニッポン』(中公新書、堤清二との共著)など著作多数。最新刊『第四の消費』が話題に(朝日新書)。