再び1億円プレイヤーに返り咲いたワケ

この空き時間に僕は何をしていたのかというと、これまでもやっていた「株」をさらに独学で勉強してみたところ、おかげさまでグッと儲けが出たんです。

そして株と同様に、力を入れ始めたのがYouTube。

動画投稿自体はやってはいたし、YouTuberが結構稼いでいるということは知ってはいたものの、それほど傾注していたわけではなかったんです。

どうせならこの機会にもっとやってみるかと思い、『里崎チャンネル』の定番となった「12球団全試合総チェック」とか、前述の「プロスピA」や競馬の動画を上げていったんです。

画像=『里崎チャンネル』より
画像=『里崎チャンネル』より

結果的にこれが当たって、3年経った今ではチャンネル登録者数が55万人を超えるまでになりました。

これでメディアの前に出ての仕事や、講演会、野球教室にYouTubeが加わって、21年にはとうとう年商が1億円を突破しました。引退から7年が経っていました。現役で1億円に到達するまでに9年かかっていますから、引退後のほうが早かったというのも嬉しい話ですね。

自分で言うのもなんですが、正直、僕はよくやったほうだと思います。0から1を作り出し、1から10、10から20、20から30と実績を積み上げて、コツコツと仕事を重ねてきた結果が、この数字なんですからね。誰かの言葉ではありませんが、まさに「自分をほめてやりたい!」(笑)。

これから先も1億円プレイヤーであり続けたいものですけど、未来に何が待ち受けているのかわかりません。さらにデカい儲け話や新たな仕事が現れるかも……。そのためにも、ひたすら実績を積み上げていくこと、仕事への嗅覚を高めていくこと、これに尽きますね。

コーチの年俸は800~1500万円

答えがあったら教えてほしいと思います。働かなくても1億円稼げるんでしょうか?

里崎智也『YouTube『里崎チャンネル』はなぜ当たったのか 再び1億円プレイヤーになるまでにしたこと全部』(徳間書店)
里崎智也『YouTube『里崎チャンネル』はなぜ当たったのか 再び1億円プレイヤーになるまでにしたこと全部』(徳間書店)

「そんなこと無茶だ」と言う人は多いでしょう。「何を馬鹿なこと考えてるんだ」とも。でも僕はいたって真剣に考えているんです。なぜなら、プロ野球選手引退から7年で「働いて1億円稼ぐ方法」を見つけたからです。実は、元プロ野球選手の中でも、引退後に1億円プレイヤーに返り咲いた例は稀なんです。

例えばイチローさんや松井秀喜さんといった大物野球人であれば、CM収入などだけで1億円稼ぐことは可能でしょう。けれども、僕のようなプロ野球での実績がそれほどない人間が、引退してから現役選手のような稼ぎを手にするなんて、恐らく誰も予測できなかったはずです。

現役選手が引退すると、大半は指導者に、まずはコーチとしてユニフォームを着ることを目標にするものです。けれども、コーチの年俸の相場はチームにもよりますけど、800万~1500万円で、ヘッドコーチで2000万~3000万円くらいなんです。

ちょっとシミュレーションしてみましょう。仮に年俸1000万円の3年契約だったとしたら、手取りはざっくりと見て600万~650万円くらい。3年の契約が満了した翌年はその前年の年俸から税金がかかってきます。次の仕事が決まっていなければ、家計は厄介なことになります。

契約内容にもよりますけど、日本一になった翌年に降格とか切られるコーチもいたりしますから、必ずしも成果主義的な査定をしてもらえるわけでもない。選手の年俸交渉とは違って、基本、球団からの言い値で年俸が決まるケースが多いらしいんです。