難しい時代でも「東スポ伝説」を残す理由
「今後ももちろんUFOやツチノコといったネタは定期的に扱っていく。長年、この種のネタを愛読してくれている読者を裏切ると、結果読者離れが加速するからです。しかし、最近はこれといったネタや情報がなかなか入りにくくなった。
ネットなどにUPされてしまっている事例が多く、さすがにネットの後追いはできません。とはいっても深刻な事故や事件と同列というわけにはいかない事情もある。例えば安倍晋三元総理が銃殺されたときに、陰謀論などの記事はご法度という流れに変わっています。さすがに世間を震撼させる事件のときに、あまりにも柔らかい記事を掲載すると顰蹙を買ってしまうということです」
そうした中、東スポのキャラクターを形成する「東スポ伝説」に対し、次世代の経営を担う平鍋氏は次のように語るのだ。
「コンプライアンス重視と叫ばれている昨今ですが、『東スポ伝説』は確実に残していく方がいいと思います。一朝一夕で『東スポ伝説』はできません。先達の記者たちが面白いコンテンツを作り続け、それで『東スポ伝説』ができあがってきたわけですから。何度もいいますが、もちろん時流は読んでいく……。そうした自己チェックをした先に『東スポ伝説』の本来、あるべき姿があると思います。
ネット社会で互いの揚げ足取りをするような社会にクスッと笑える記事を提供していきたいと考えているんです。そうじゃないとこのコンプラ社会で皆が潰れてしまう。コロナの予防接種を受けていない人間が差別されるのと似ていますね」
新たな伝説の幕開けとなる「東スポ餃子」
「この流れに今度は『東スポ餃子』も加わってくると密かに期待しています。『東スポ餃子』が新しい東スポ伝説の一翼を担う時代がくるわけです。そもそも『どうして新聞社が餃子を出すんだ?』と誰もが首を傾げ、不思議に思うような展開に気づくこと自体が新たな伝説の幕開けなんだというふうに仕掛けていきたい。
これからも餃子からさまざまなアイテムを派生させていく。ワンコンテンツ、マルチユースの考えです。そこに記者や事業室関係者、支局のスタッフなどのいろいろな意見がプラスアルファされればいいなと……。新しい分野で『東スポ伝説』は永遠に続いていくんじゃないかと思います」